アメリカ・イリノイ州シカゴ。ここは東のニューヨーク、西のロサンゼルスに次ぐ北米屈指の世界都市だ。広大な土地、豊富な水、交通の要衝という地理的条件に恵まれ、中西部における工業、商業、文化、流通の一大中心地をなす。ミシガン湖からの季節風が容赦なく吹きつけ、強風の日が多いことから、別名“Windy City(風の街)”とも呼ばれている。
そんなシカゴは、アメリカ屈指の料理のおいしい街として有名。『ミシュランガイド シカゴ版』の発売がこの11月に予定され、シカゴアンたちの話題は、気に入りの店の情報交換でもちきりだ。移民国家の象徴のように多様な食べ物にあふれてはいるが、彼らの食文化のベースはやはり伝統的なアメリカ料理にある。
アメリカ料理といえば、さまざまな国の食文化を取り入れながら、独自にアレンジしたものがほとんど。主にヨーロッパやアフリカの料理から派生したと言われている。ハンバーガーやホットドッグ、ミートローフ、シーザーサラダ……そして近年、シカゴでも朝食やブランチで気軽に親しまれるようになった「エッグベネディクト」も、一説によるともともとはフランス生まれのパン料理なのだという。
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