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ヤマザキ 世界の朝食
一日の元気は、朝食をしっかり食べることから始まります。
世界各地のバラエティ豊かな朝食---
また、幸せの香り漂うパン料理などを紹介していきます。
月刊dancyu[ダンチュウ]
月刊dancyu[ダンチュウ]2011年10月号
編集タイアップ企画より
今月の1皿~「ハリラ」 世界地図 Trinidad and Tobago
モロッコ王国・フェズ”
食堂やレストランのメニューにも必ず登場する、具だくさんスープ「ハリラ」。写真のトマトベースのほか、地方によっては小麦粉を溶いたスープにターメリックで色づけしただけのハリラも食べられている。木製のスプーンでいただくのがスタイルで、素材のシンプルな美味が楽しめるやさしい味。「ホブス」は小麦粉のほか、全粒粉やセモリナ粉を配合するなど、各家庭によって好みのレシピがある。
  西の最果て──アフリカ大陸北西部に位置するモロッコは、日出ずる極東の日本とちょうど対極をなす〝日の没する国〟だ。長くフランスやスペインの支配下に置かれていたせいか、欧州的な雰囲気を併せもち、独特のエキゾチシズムが醸成された魅惑の地である。
 首都ラバトから東へ200㎞離れたフェズは、9世紀初頭に築かれたモロッコ最古のイスラム王都。〝迷宮の街〟と呼ばれるだけあって、メディナ(旧市街)には迷路のような複雑な道と、中世イスラム世界が時を超えて生き続けている。細い道路が網の目に張り巡らされ、住人でなければ誰もが方向感覚を失ってしまうほどだ。
 そんなフェズは、職人の街としても名高い。タイル、陶器、革、染物、金物……と、さまざまな工房がひしめき合っているが、なかでも人々の暮らしに密接しているのがパン焼き職人の存在である。家庭でこねたパン生地を持っていき、料金を払えば、最高の状態でパンを焼いてもらえるのだ。またハンマム(公衆浴場)でも、湯を沸かす火を利用して併設された窯でパンを焼く光景が見られる。なるほど、街中がパンの香りに満ちている理由がここにある。 
 ちなみにモロッコでは、円盤状のパン「ホブス」が主食として親しまれている。噛むほどに滋味深く、シンプルゆえにどんな料理にもマッチするが、ぜひとも合わせて食べたい一品が「ハリラ」である。
 ハリラはラマダン時の日没後に食べる最初の食事にも欠かせない栄養満点なモロッコ風スープ。小麦粉でとろみをつけるのが特徴だ。基本はトマトをベースに数種のハーブ、肉、豆、パスタ、スパイスなどを合わせて、じっくり煮込めば完成。つくり手によって具材や味は多種多様。ひと口大にちぎったホブスをつけて食べ進むほどに、やさしいおいしさが体に広がっていく。
 さて、パン王国モロッコの朝食はさりげなくも美しい。ホブスのほか、フランスパンにジャムや蜂蜜を添え、清々しいミントティーと堪能する。お腹も大満足のや さしい目覚めは、朝を充実したものにしてくれる。
朝のテーブルから
モロッコの人々はパンケーキやクロワッサンといったパンも好んでいる。たとえば朝食には、縦にカットしたフランスパンに無花果のジャムやバター、オリーブ油、蜂蜜を添えて。中国緑茶にフレッシュミントと砂糖 を入れてつくる甘~いミントティーは、食事ごとに登場する定番ドリンク。
ヤマザキ
朝食から始まる幸せ。
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