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ヤマザキ 世界の朝食
一日の元気は、朝食をしっかり食べることから始まります。世界各地のバラエティ豊かな朝食 また、幸せの香り漂うパン料理などを紹介していきます。
月刊dancyu[ダンチュウ]
月刊dancyu[ダンチュウ]2016年5月号
編集タイアップ企画より

 海から心地よい風が吹き始め、暑さが少し和らぐ。海はおだやかで美しく、陸地では時折降るスコールが色鮮やかな花々を開花させる。今やプーケットと並ぶタイのリゾート、サムイ島。5月の終わりのこの島は、まさに楽園と呼ぶにふさわしい。
 新鮮な魚介が豊富、本土とはひと味違うタイ料理も島の魅力だ。多めの油で貝入りの生地を揚げ焼きにし、卵も加えたタイ風お好み焼き「ホイトート」もその一つ。本土では小さめのムール貝などを具にすることも多いが、ここでは名産の牡蠣で決まり! 身の肥えた新鮮な牡蠣を惜しげもなく使う。熱々を頬張れば、南国の海辺の豊かさ、大らかさが口いっぱいに広がる。
 このホイトートに欠かせないのが、もやし炒めとチリソース、そして何と言ってもパクチーだ。タイの人々は2〜3歳から慣れ親しむというパクチー。扱いは堂に入っていて、麺やスープ、サラダ、炒め物……と、あらゆる料理に効果的に使いこなす。その力強い風味は単なるアクセントというより、味のバランスをとる上で不可欠なもの。タイ料理の羨ましいほど幅広い味わいに、パクチーが深く関わっているのは間違いないとさえ思える。
 パクチーといえばタイ独特のパン料理として有名なのが、葉や茎だけでなく根も余すことなく豚挽き肉と混ぜ合わせ、食パンに塗って揚げた「カノムパン・ナームー」。サムイ島でも愛されていて、朝食やおやつによく食べられる。やはりパクチーたっぷりのサラダで口を爽やかにさせつつ、汗をかきかき食べるのが現地流。西洋のパン料理とは発想も味のバランスも違う。しかし、豊かな食文化を感じさせる一品である。
 さてこれからの季節、サムイの朝はスコールで明けることが多くなる。海や森、濃密な自然の香りが凝縮する雨上がりが、島の人は何より好きだという。朝はこれに食事の支度の香りが加わる。こんな幸せな土地の味わいが、おいしくないはずがない。


ヤマザキ
朝食から始まる幸せ。
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