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ヤマザキ 世界の朝食
一日の元気は、朝食をしっかり食べることから始まります。
世界各地のバラエティ豊かな朝食---
また、幸せの香り漂うパン料理などを紹介していきます。
月刊dancyu[ダンチュウ]5月号
月刊dancyu[ダンチュウ]2010年5月号
編集タイアップ企画より
今月の1皿~「ブリック」 世界地図 Tunisia
チュニジア共和国・チュニス
半熟卵がトロ~リ。
チュニジア風“揚げ餃子”
大人の手のひらほどもある「ブリック」は、家庭料理をはじめレストランや屋台でもおなじみの一品。基本の具材はじゃがいも、ツナ、パセリ、卵だが、アレンジも自在。レモンを搾ってさっぱりといただく。「タブーナ」は、卵や牛乳を使わない素朴なパン。強めの塩味とアニスシードがポイントで、いくら食べても飽きない。ハリサとオリーブオイルを添えて。
   アフリカ大陸最北端に位置するチュニジア。面積は日本の約半分と小国ながら、砂漠や草原、山岳地帯……とアフリカの大地を象徴する自然景観が詰め込まれている。首都チュニスは、ヨーロッパ世界とアラブ世界が交錯するエキゾチシズム漂う近代都市。スタイリッシュな新市街は“プチ・パリ”と呼ばれ、一方の旧市街はスーク(市場)が広がり、イスラム文化が残る街並みの中、人々の活気あふれる日常を垣間見ることができる。
 地中海交易の要衝として発展してきたこの地の食は、実にユニークだ。南イタリアに近いこともあってか、オリーブやトマトを使った彩り鮮やかな料理をはじめ、魚介や肉料理が豊富。思わず「ここはアフリカ?」と首をかしげる人も多いとか。しかし、ひと口食べればスパイスが織り成す独特の風味に、チュニジアの風を感じずにはいられない。
 秘密は“ハリサ”と呼ばれるペースト状のミックススパイス。唐辛子をベースにつくるハリサは、どんな料理にも必ず添えられる、いわばチュニジア料理の“味の担い手”。それは主食のパン「タブーナ」を食べるときにも欠かせない。そのマイルドなピリ辛味が、素朴なタブーナのおいしさをぐっと引き立てるのだ。
 そんなハリサとタブーナの組み合わせに、ぜひとも合わせたい名物料理が「ブリック」である。
 薄い小麦粉の生地にゆでたじゃがいもやツナをのせ、最後に卵を落として包んだら、高温の油でカラリと揚げる。さっくり香ばしい味わいと、とろける半熟卵のハーモニーは、なるほどやみつきになる一品だ。前菜やおやつの定番で、週に3、4回食べるのは当たり前。“上手に食べられないとお嫁に行けない”と言われ、食べ方に若干の気遣いが必要なものの、これもおいしさの重要な要素だ。
 旧フランス領という歴史背景もあって、朝食にはしばしばフランスパンが登場する。胡麻のペースト「シャミア」にジャスミンコーヒー、なつめやしを合わせてシンプルに、ナチュラルに──。いつまでも変わらない、長きにわたって愛され続ける朝の食卓には、体が求める栄養素がぎゅっと凝縮されている。

朝のテーブルから
チュニジアの朝食例。フランスパンには「シャミア」+オリーブオイル(左手前)が好相性。銀色のポットの中はジャスミンのアロマウォーターが入っており、コーヒーに数滴垂らして飲むことで、体が気持ちよく目覚めるのだとか。なつめやし「タムル」(右奥)を添えて。

ブリック(写真左上)
ヤマザキ
朝食から始まる幸せ。
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