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ヤマザキ 世界の朝食
一日の元気は、朝食をしっかり食べることから始まります。世界各地のバラエティ豊かな朝食 また、幸せの香り漂うパン料理などを紹介していきます。
月刊dancyu[ダンチュウ]
月刊dancyu[ダンチュウ]2013年11月号
編集タイアップ企画より
今月の1皿
ロシア連邦 サハリンRussian Federationパンのある温かな食卓。北国の早い冬支度
〝手前は「鮭のペリメニ」。サハリンでは、豊富な魚をメインに玉ねぎ、にんにく、黒胡椒を合わせて具にすることが多い。サワークリームとパセリを添えて。奥が独特の酸味と香りをもつロシア伝統のライ麦パン。
 冷たい雪が降り出すサハリンの10月。これから半年以上続く長い冬の幕開けだ。野菜やきのこの漬物、木の実のジャムはすでに家庭ごとにたっぷり用意され、キッチンや納屋の一角に納められている。
 各家の玄関に置かれた大きなトレーも冬支度を告げるもので、中身は「ペリメニ」。シベリア風水餃子と言われるロシアの国民食だ。豚や仔羊、牛などの肉を小麦粉の皮で包むのが一般的だが、魚介類が豊富なサハリンでは魚、特に鮭をよく使う。一度に山ほどつくり、氷点下20℃にもなる二重式の外玄関で凍らせ、冷凍庫で保存。食べるときは塩とハーブを加えたスープでさっと煮る。シンプルでいて味わい深く、熱々。凍てつく冬の日の、何よりのご馳走である。
 別名〝パンの耳〟と呼ばれる愛らしい形。不揃いなのもご愛嬌、小さな子供も包むのを手伝った証拠だ。家族総出で保存食を用意するのがこの土地の流儀。みんなで出かけたきのこ狩り、お喋りしながらの賑やかな仕込み……。ペリメニや漬物の一つ一つには、そんな家族の時間も詰まっている。
 ロシア料理をベースに、この島ならではの恵みや知恵が加わったサハリンの食。温かな料理が多いのも特徴で、どの家でもスープは毎日登場。魚、肉、野菜、雑穀と具はさまざまだが、共通するのはどれも家族の健康を考えて具だくさんなことだ。
 そして、それらの料理とともにあるのがずっしり重たいライ麦パン。小麦粉を使ったさまざまなパンが手に入るようになった今でも、主食と言えばこれ。独特の酸味と香り豊かな味わいが、ロシアの食卓の土台であることに変わりはない。
 さて、サハリンの冬の楽しみとして多くの人が挙げるのが、結氷したオホーツクでの釣りだ。未明から出かけるために朝食持参。親子連れも多く、お母さん手づくりのサンドイッチとポットに入った紅茶を味わう姿を時折見かける。凍てつく自然の中、なぜかとても温かな朝の風景である。




世界のテーブルから
ザクースカとはロシアのビュッフェ料理の前菜(特に冷菜)だが、転じて朝食の意味にも使われる言葉。手前は、伝統的なスモークサーモンとクリームチーズのオープンサンドをアレンジしたロールパンのザクースカ。右奥はサハリンの冬を支える根菜、ビーツを炒め煮にしたザクースカ。温かなロシア紅茶を添えて。
サーモンとチーズのロールパンのレシピ
ヤマザキ
朝食から始まる幸せ。
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