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ヤマザキ 世界の朝食
一日の元気は、朝食をしっかり食べることから始まります。世界各地のバラエティ豊かな朝食 また、幸せの香り漂うパン料理などを紹介していきます。
月刊dancyu[ダンチュウ]
月刊dancyu[ダンチュウ]2014年1月号
編集タイアップ企画より
今月の1皿
アゼルバイジャン共和国
ワイン発祥の国の
“名物煮込み”とパン
中央の二つの皿が、具とパンにしみ込ませたスープに分けた煮込み料理「ピティ」。中ほど左のしそに似たスマフ(めぎの実)を好みでかけ、生の紫玉ねぎをかじりながら食べる。パンは右下の「チョレティ」のほか数種。レバーペースト(左下)や乳製品(上)も食卓の定番。
 カスピ海の畔。北海道ほどの小国に、抱え切れないくらいの風土や歴史が詰まっている。砂漠、平原、山脈、渓谷、海岸線と、次々に移り変わる風景。中央ユーラシアという立地から、古今東西の民族・文化が行き交った国だ。料理もそれを物語っていて特にトルコやイラン、ロシアなどと似たものも多数あるが、変化に富んだ大地がもたらす多彩な食材がこの国でしかない味を生んでいる。ワイン発祥の地とされる土地。隠れたワイン名産国でもある。
  古くから受け継がれる調理法が、今なお家庭料理の中心なのも特徴だ。長時間かけた煮込み料理も多く、なかでも定番が「ピティ」。羊肉を豆や栗、ドライフルーツと一緒に半日煮込む、全土で愛される料理である。食べ方がユニークで、まずちぎったパンに煮汁を注いで食べ、次に具をフォークで潰して味わう。一皿で二度おいしい。パンにしみた濃厚スープとほろほろ崩れる肉で、口の中は滋味であふれんばかり!
 合わせるパンはこれも昔ながらの円盤形パン「チョレティ」。ナンと同様、タンドールで焼くが、食べると中がもっちりとしたおいしい発酵パンである。
 主婦たちは伝統的なパンづくりに熟達し、来客時などは多様なパンを数日かけて焼く。実はもてなしの国としても有名。手をかけ時間をかけた肉や魚、野菜料理、「覚えぬうちはお嫁に行けない」と言われる何種類ものジャムやナッツ……。テーブルいっぱいの皿で迎えるのがアゼリ―流。まるでこの国の風土と歴史が詰まった宝箱のようにも見える。
 そんなアゼルバイジャンの朝に、欠かせないのはチャイ。特に休日は大きな炭火のサモワール(伝統的な湯沸かし器)を庭に運び、朝食を楽しむ人も多い。食卓には、たくさんのジャムやナッツ、ペースト、そしてパン。何杯でも何時間でも、炭が燃え尽きるまで時間は十分にある。それは一日の始まりに、大切な家族や自分へ向けた最も気のおけないもてなしのようでもある。



世界のテーブルから
左の四つは胡桃、苺、茄子、マルメロのジャム。中央とその右上が、牛乳とヨーグルトを煮てから濾した「胡麻のケスミーク」と「レーズンのケスミーク」。その下が「焼き茄子のペースト」。さらに数種のナッツやドライフルーツを並べ、パン、チャイとともに楽しむのが〝アゼルバイジャン流〟の伝統的な朝食スタイルだ。
ヤマザキ
朝食から始まる幸せ。
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