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ヤマザキ 世界の朝食
一日の元気は、朝食をしっかり食べることから始まります。世界各地のバラエティ豊かな朝食 また、幸せの香り漂うパン料理などを紹介していきます。
月刊dancyu[ダンチュウ]
月刊dancyu[ダンチュウ]2015年7月号
編集タイアップ企画より
Ukraineウウズベキスタン共和国
サマルカンド 東と西の世界をつなぐ 串焼きの道、パンの味
 シルクロードの味とでも呼ぼうか。中国から地中海世界に至るまで、ユーラシア大陸を横切る遥かな道のりの行く先々で出合うのが〝肉の串焼き〟だ。ジクカワープ、シーシュカバーブ、シシュケバブ……。地域によって名前も味も変化していくのが、まるでルーツを辿るかのようで面白い。
 そのシルクロードの中ほど。往時、交通の要衝として栄えた街が、ウズベキスタン第二の都市・サマルカンド。ここの串焼きは「シャシリク」。旧ソ連圏に共通する呼び名だが、やはりこの街ならではの味わいがある。羊、牛、鶏と肉ごとの個性は十分楽しめつつ、気になる臭みやクセがない。鼻から抜けるやわらかなスパイスの香りが後味をきれいに引き締める。シンプルだが、どこか洗練されているのだ。
 しかも店でも家でも、どこで食べてもおいしい。「料理は体で覚える」と言う地元の人が調理法をレシピ化することは希だが、一般の主婦でもつくり方をわきまえている。
 遡れば14〜15世紀に栄華を極めたティムール朝の古都でもある。当時の面影を残す街並みは〝文化交差路〟として世界遺産に登録。食文化も奥深く、東西の影響を受けたさまざまな料理が息づく美食の街だ。
 パンのおいしさも国内随一。「ノン」と呼ばれる、タンドールで焼いたいわゆるナンだが、サマルカンドのそれは厚みがあり、身が詰まってモチモチとした食感がどこか西洋パンを思わせる。手土産にと持ち帰る旅行者も昔から絶えることがない。
 そして変わらぬものと言えば、朝の美しさ。〝サマルカンドブルー〟と称される青を基調とした歴史的建造物が、薄明を背に浮き上がる様はまさに幻想的。それを尻目に、住民は朝の支度にかかる。小さい頃から、家事を手伝うのが当たり前のサマルカンドでは、親の手際を覚えようと子供たちも真剣だ。本人たちにとっては些細なこんな朝の光景こそ、古来この街が輝き続けた最も強い土台なのかもしれない。

ヤマザキ
朝食から始まる幸せ。
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