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世界各地のバラエティ豊かな朝食
また、幸せの香り漂うパン料理などを紹介していきます。

アメリカの国民的パスタ「スパゲッティ・ウィズ・ミートボール」。トマトソースは、にんにくやスパイスが効いたマリナーラソースであることが多い。土台には、やはりイタリアの味わいがあるのだ。香ばしく焼いたガーリックブレッドと交互に食べるのが定番スタイル。

月刊dancyu[ダンチュウ]
2019年 6月号
編集タイアップ企画より

アメリカ合衆国

パスタとパンの
アメリカンな関係

 2人前はありそうなスパゲッティに、大きなミートボールがごろごろ入っている。赤いトマトソースの上には、ほんのり香るパルメザンチーズがぱらり。飾り気はないけれど、その迫力が食欲をそそる。「スパゲッティ・ウィズ・ミートボール」。全米の家庭はもちろん、ダイナーや学食でも大人気のアメリカンパスタだ。

 イタリアのパスタが海を越え、他国の味へと進化した代表選手。20世紀の初頭にイタリア系移民により広まったとされているが、今ではこれをイタリアンと認識する人はほぼいない。アメリカ人なら誰もが知っている国民的食べ物。いわばソウルフードの一つにまでなっている。

 パンとも関わりが深い料理で、ガーリックブレッドを添えるのは定番スタイル。カリッと焼けた食パンの食感と、にんにく、バター、ハーブの風味は、なるほど旨味と酸味が豊かなトマトソースの程よいアクセントになる。旨いものは旨い! 大人も子供も夢中でぱくつく姿からは、そんな声さえ聞こえてきそうだ。

 そしてもう一つ、このスパゲッティと並ぶアメリカンパスタ界のスーパースターが、「マカロニ&チーズ」。マカロニをチーズソースで和えたシンプルな美味は、やはり老若男女を問わずアメリカ人の大好物で、“マッカンチーズ”の愛称で親しまれている。こちらもパンと合わせたり、最近ではパンに挟んでホットサンドにしたり、ハンバーガーにしたり、タコスにしたり……。どんどんと進化を続けるのも、いかにもアメリカの食文化らしい。

 さて、パンと言えば、アメリカ人の楽しみ方が最も垣間見えるのは朝。カスタムオーダーが主流のデリやベーカリーであつらえた、自分流サンドイッチを手に通勤する人も多いのだ。時に形が不格好になったり、イメージと少し違う味になっていても気にしない。彼らが愛する自由を楽しむという幸福が、そこに詰まっているのだから。