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世界各地のバラエティ豊かな朝食
また、幸せの香り漂うパン料理などを紹介していきます。

パブやカフェで人気の高い「フラットブレッド」のオープンサンド。ビールを飲んだ後に食べたくなる人も多いそう。写真は、にんにくとタイムを練り込んだ平パンにきゅうりを混ぜたヨーグルトソースを塗り、ラム肉、ルッコラ、紫玉ねぎ、トマト、松の実を散らした一品。

月刊dancyu[ダンチュウ]
2017年 7月号
編集タイアップ企画より

ニュージーランド
ウェリントン

 徒歩で回れるほど小さな首都が、国内外から注目を浴びている。“世界一魅力的な首都”とも評されるウェリントン。海と丘に囲まれた自然豊かな街は、美しい上にアクティビティーも豊富。映画製作の拠点でもあり、国内では文化やアートの発信地として知られる。食に目を向ければ、市民一人当たりの飲食店数はニューヨーク以上。なるほど楽しみが凝縮した土地である。

 近年、その魅力の仲間入りをしたのがクラフトビール。銘醸国として台頭著しいニュージーランドの中でもウェリントン産は質が高いと評判で、住民たちのビール熱も相当なもの。ウェリントンこそ、クラフトビールの首都と言ってはばからない。

 夕方になれば、人気のパブやビアバーは仕事帰りの一杯を楽しむ人で大賑わい。移民の国。肌も目も違う人たちが地元のビールを片手に、ラグビー観戦、会話やゲームと思い思いに羽を伸ばす。フレンドリーな国民性。観光客との垣根も低い。みんなでこの土地を楽しもう! ウェリントンの酒場には、自由な空気が満ちている。

 そんなパブやバーで人気の軽食が、平パン「フラットブレッド」のオープンサンドだ。ビールにもぴったり。くるりと巻いて片手でつまめるのが、立ち飲みも多い当地のスタイルに合っている。具はチキンやサーモンなどが定番だが、最近は多彩。たとえば、名産のラム肉にハーブや松の実などを散らし、きゅうりとヨーグルトのソースをかけた一皿は、どこか地中海の香りも漂う新しい味。とは言え“NZ流”の国籍にとらわれない調理が土地の美味を何とも豊かに引き出している味わいに、不思議なほどこの国らしさを感じるのだ。

 さて、朝が早いウェリントン。平日はトーストをサッと食べ、仕事に向かう人が多い。南半球は冬。冷たい風が吹き荒れることもあるが、「空気が澄んで朝焼けが特に綺麗な日もあるよ!」と街の人。この街を最も愛するのは、やはり住民たちである。