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ヤマザキ 世界の朝食
一日の元気は、朝食をしっかり食べることから始まります。
世界各地のバラエティ豊かな朝食---
また、幸せの香り漂うパン料理などを紹介していきます。
月刊dancyu[ダンチュウ]8月号
月刊dancyu[ダンチュウ]2009年8月号
編集タイアップ企画より
今月の1皿~「アクローシカ」 世界地図 Russia
ロシア・ノヴォシビルスク 夏の飲むサラダ“アクローシカ”
大地の恵みがたっぷり。新鮮な夏野菜が主役の「アクローシカ」は、ロシアの夏の元気食。スープのクヴァースに、サワークリームと塩漬けしたディルやイタリアンパセリ、万能ねぎを入れるのがおいしさのポイントだ。酸味のある黒パンとの相性も抜群。各家庭によって具材はさまざまで、体にやさしく、さっぱりとヘルシーな味わいも人気の秘密。

 ロシア中央部・ノヴォシビルス。“新しいシベリアの街”を意味するここは、モスクワ、サンクトペテルブルクに次ぐ商業都市だ。シベリアの交通の要所として大いに発展を遂げながら、同時にバレエや音楽、絵画といった芸術文化も大切に育んできた。二十世紀初頭に建てられたクラシカルな建物と、近代的なビルが立ち並ぶ大通りは博物館や美術館が点在し、多くの人で賑わいを見せる。新旧が美しく調和した街並みは、歩いているだけでも実に楽しいものだ。
 この地の夏は強烈な日差しが降り注ぎ、ときに40度を超える場合もあるという。暑さで火照った体を冷やすには「クヴァース」と呼ばれるライ麦の発泡性飲料が手放せない。独特の酸味と甘味、少量のアルコール分……たとえるならば、“微炭酸の薄口ビール”といったところか。家庭では黒パンを発酵させてつくったり、街中ではクヴァースを積んだタンクローリーが至る所に見られるほどの人気ぶり。さっぱりとした飲み心地がいつしかクセになる、ロシアの夏の風物詩だ。

また、クヴァースはスープ料理にも活躍する。
 「夏といえば?」と尋ねれば、誰もが思い出す故郷の味──大地の恵みを凝縮した冷製スープ「アクローシカ」がそれである。
 新鮮なきゅうりやラディッシュ、ゆでたじゃがいもなどの野菜に、ハムやソーセージ、ゆで卵。入れる具材は自由自在。細かく刻んで器に入れたら、食べる直前に冷たいクヴァースを注いで完成だ。サワークリームと香草をトッピングすれば見た目も華やか、栄養満点。野菜のシャキシャキッとした食感と、ひんやり冷たい喉ごしは夏の疲れを一気に吹き飛ばす、まさに“飲むサラダ”なのだ。
 ロシアの人々は三度の食事をしっかりと食べる。朝の食卓に並ぶのは、名物の黒パンや白パンを使った多彩なパン料理。たとえばバターを塗ったパンにイクラやキャビアをのせたオープンサンド、手づくりのジャムをのせたテーブルロールなど。何とも幸せそうに頬張る姿が印象的で、朝からよく食べ、よく笑う。なるほど、朝食には元気の源となるエッセンスがたっぷりと詰まっている。
朝のテーブルから
ロシアの朝食例。イクラをのせた「イクラトースト」。意外にも食パンとイクラが好相性! 口当たりの軽いテーブルロールは、ブラックベリーとサンゴジュのジャムをのせて。器に盛った2種のジャムは、スプーンで食べながら濃く淹れた紅茶と楽しむのがロシア流。
イクラトーストのレシピ
ヤマザキ
朝食から始まる幸せ。
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