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ヤマザキ 世界の朝食
一日の元気は、朝食をしっかり食べることから始まります。世界各地のバラエティ豊かな朝食 また、幸せの香り漂うパン料理などを紹介していきます。
月刊dancyu[ダンチュウ]
月刊dancyu[ダンチュウ]2014年11月号
編集タイアップ企画より
今月の1皿「アエーシュ・バラディ」(左奥)「シャクシューカ」(手前)
エジプト・アラブ共和国
 数千年の歴史を刻む、暮らしを育むパン
エジプトパンの「アエーシュ・バラディ」(左奥)と「シャクシューカ」(手前)の朝食。料理を各自皿に取り、アエーシュをちぎってすくうようにして食べる。野菜やレモンを塩、オイル、香辛料で漬けたエジプト風ピクルス「トルシー」、地場産チーズも食卓の定番だ。
 この国の街中は、どこもかしこもそのパンであふれている。パン屋はもちろん、スーパー、露店……。頭にのせた大きな板で一度に何十個も運んでいく自転車配達人の姿もちょっとした名物だ。「アエーシュ・バラディ」。直訳すれば地元のパン。小麦ふすま入りの円盤形ポケットパンで、見た目も味も華やかとは言えないが、噛むほどにしみる麦の深い味わいがある。
 都市部にはほかのパンがないわけではないのに、みんなとにかくアエーシュが好き。毎食欠かさないと言う人もいる。「完璧なパンなんだ。ヘルシーで料理にも合う。代わりはないよ」。発酵パンを生み、古代王朝時代には数百種のパンが焼かれていたというエジプト。だが遥かな歳月、人々の暮らしの糧となってきたのは、素朴なアエーシュだった。その選択を誇りに思っていることは、彼らの笑顔が証明している。
 エジプト料理になくてはならないパンだ。半分に切って具材をポケットに挟んだり、ちぎってからディップ類をすくって食べたりと、必ずアエーシュと合わせて食べる料理がいくつもある。その一つが「シャクシューカ」。トマトソースに卵を割り入れ、オーブンで焼いた一皿はそのままでも素直においしいが、アエーシュと一緒に食べると味わいの厚みがぐっと増す。遥かなパン王国の末裔たちは、小麦がもつ風味の魔法を誰よりも熟知している。
 このシャクシューカやエジプト風ピクルス「トルシー」、乾燥そら豆をコトコト煮込んだ朝の定番「フール・ミダンミス」などをテーブルいっぱいに並べ、それぞれを取り分けながらアエーシュと食べるのが、エジプトの家庭の朝食。ナイルの恵みである彩り豊かな野菜もご馳走だ。
 そして何よりも大切なのが、家族が食卓に揃うこと。休日になれば祖父母や親戚まで集まって朝食を囲む。家族の絆とそれを育む食卓。これも、悠久の時間の中で彼らが守り続けた何にも替え難いものである。
朝のテーブルから“エジプト”の朝食
乾燥そら豆を一晩かけて戻し、専用の鍋で長時間煮込む「フール・ミダンミス」は、朝の食卓に欠かせないエジプトの国民食。種類も豊富で、都市には専門店や朝食屋台も多い。手前は、胡麻ペーストをかけた定番の「フール・ベル・タヒーナ」。左奥は、唐辛子とにんにくが効いたトマト味の「フール・ベル・トマーテム」。
ヤマザキ
朝食から始まる幸せ。
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