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トランス脂肪酸等に関する情報開示について

1.トランス脂肪酸とは

日常摂取する主なトランス脂肪酸は、マーガリン、ショートニングなどの硬化油、脱臭のためシス型不飽和脂肪酸を200℃以上の高温で処理した食用植物油、乳や反すう動物の肉などに由来しています。
脂肪酸とは、油脂などの構成成分で、炭素(C)、水素(H)、酸素(O)で構成され、水素原子の結合した炭素原子が鎖状につながった構造となっているものです。脂肪酸は飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分類され、炭素と炭素が2つの手で結び付いた二重結合(不飽和)を一つ以上持っているものが不飽和脂肪酸と呼ばれます。さらに、不飽和脂肪酸は、二重結合の炭素に結び付く水素の向きでトランス型とシス型の2種類に分かれます。水素の結び付き方が互い違いになっている方をトランス型といい、同じ向きになっている方をシス型といいます。天然ではほとんどの場合、不飽和脂肪酸はシス型で存在します。

【飽和脂肪酸中の炭素−炭素 一重結合】

【不飽和脂肪酸中の炭素−炭素 二重結合】

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2.トランス脂肪酸の健康への影響

トランス脂肪酸は長期間の過剰摂取により、血中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を増やし、HDLコレステロール(善玉コレステロール)を減少させることが指摘されており、その結果として、動脈硬化などによる虚血性心疾患のリスクを高めるといわれておりますが、食生活、食習慣に応じて各国のトランス脂肪酸の摂取状況は大きく差があるとされております。
WHO(世界保健機関)とFAO(食糧農業機関)の「食事、栄養及び慢性疾患予防に関するWHO/FAOの合同専門家会合」では、心臓血管系の健康増進のため、食事からのトランス脂肪酸の摂取を極めて低く抑えるべきであり、最大でも一日当たりの総エネルギー摂取量の1%未満とするように勧告しています。
日本では、消費者庁が食品事業者に対しトランス脂肪酸を含む脂質に関する情報を自主的に開示する取り組みを促す目的で「トランス脂肪酸の情報開示に関する指針」を公表しました(2011年2月21日)。また、「食品に含まれるトランス脂肪酸に関する食品健康影響評価(リスク評価)」(2012年3月、食品安全委員会より公表)および「トランス脂肪酸に関するとりまとめ」(2015年5月、消費者委員会より公表)によると、大多数の日本人のトランス脂肪酸摂取量はWHOの目標(勧告)を下回っており、脂質に偏った食事をしている人は留意する必要があるものの、通常の食生活では健康への影響は小さいと考えられるとの見解が示されております。
2015年6月、FDA(米国食品医薬品庁)は、トランス脂肪酸が多く含まれる部分水素添加油脂は、GRAS(従来から使われており、安全が確認されている物質)ではないとし、食品に使用するためにはFDAの承認が新たに必要と決定しました。この動きを受けて、内閣府食品安全委員会は「食品に含まれるトランス脂肪酸の食品健康影響評価の状況について」を更新(2015年6月19日)し、日本でのトランス脂肪酸の平均摂取量が0.3%と米国の2.2%の1/7と少なく、WHOの目標である対総エネルギー摂取量の1%未満を下回っていることから、通常の食生活では健康への影響は小さいと考えられるとの見解を示しています。
(詳細については、「消費者庁ホームページ」、「食品安全委員会ホームページ」、「消費者委員会ホームページ」を参照してください。)

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3.日本におけるトランス脂肪酸摂取の現状

トランス脂肪酸の摂取量については、食品安全委員会から公表されております。
1998年の調査では、日本人のトランス脂肪酸の摂取量は一日当たり平均1.56gとなっており、摂取エネルギーの0.7%に相当することが公表されました。さらに、その後の調査で、日本人の一日当たりの平均的なトランス脂肪酸の推計平均摂取量は、2006年、2010年ともに総エネルギー摂取量の0.3%であり、WHO/FAO合同専門家会合が目標とする一日当たりの総エネルギー摂取量の1%未満注1)であることから、日本人のトランス脂肪酸摂取量は諸外国に比べて少ない傾向であることが報告されております。


1人あたりの一日に摂取するトランス脂肪酸量注2)
 

調査年

平均摂取量(g/人/日)

一日当たりの総エネルギー
摂取量に占める割合

米国

1988〜1994年

5.6

2.2%

EU

1995〜1996年

男1.2〜6.7
女1.7〜4.1

男0.5〜2.1%
女0.8〜1.9

2004年

 

1〜2%

日本

2006/2010年

0.7

0.3%

注1)

総エネルギー摂取量を2,200kcal/日とすると、計算上、その1%のエネルギーに相当するトランス脂肪酸量は2.4gとなる。

注2)

食品安全委員会「食品中に含まれるトランス脂肪酸に関する食品健康影響評価」(2012年3月)より

参考)

食用加工油脂の国内生産量からのトランス脂肪酸摂取量の推計:

総エネルギー摂取量の0.7%(1998年)、0.6%(2006年)、0.7%(2008年)
(詳細については、「食品安全委員会ホームページ」を参照してください。)

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4.トランス脂肪酸がパン類等に含まれている理由

パン類等の原材料として使用されるマーガリンやショートニングなどの油脂には、大豆、菜種、とうもろこし、パームなどの植物に由来するものと、バターやラードなどのように動物に由来するものとがあります。これらの中で最も一般的に油糧原料として使用されている大豆、菜種、とうもろこしは常温で液状であることから、パン製造に適するよう固体状にしたマーガリンやショートニングが必要となります。これらの固形脂は水素添加によって得られ、硬化油と呼ばれます。この硬化油の製造過程において、不飽和脂肪酸が飽和脂肪酸に変化する反応と同時に副反応として、シス型で存在していた不飽和脂肪酸の一部がトランス型の不飽和脂肪酸へ構造が変化することが知られています。硬化油とすることで、①油脂の融点が高くなることにより油っぽさを低下させるなどの固化特性の向上、②優れた酸化安定性の付与、③油脂結晶の微細化の促進、がもたらされ、サクサク感、コク、しっとり感など特有の物性を付与します。デニッシュペストリーやドーナツなどの製品では、特にこの硬化油の特徴が必要となります。

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5.トランス脂肪酸の低減化の取り組みについて

油脂業界では近年のトランス脂肪酸に対する健康への影響の懸念から、平成10年代前半より低減化の検討を進めた結果、現在パン類等の原材料として使用される多くの加工油脂製品で大幅なトランス脂肪酸量の低減化が図られています。トランス脂肪酸量低減に採用される代表的な手法としては、エステル交換技術、分別技術、結晶調整技術などが知られています。以下には、トランス脂肪酸が含まれる主な加工油脂原料での低減化の取り組みについて紹介します。
(1)マーガリン・ショートニング
デニッシュペストリーに使用される折り込み油脂やパン生地用練り込み油脂として、またバタークリームなどに使用されるマーガリン・ショートニングに求められる主な機能には、微細な結晶構造で滑らかな性状、可塑性を有することがあります。エステル交換技術によりトランス脂肪酸の低減化を図り、得られた融点の異なる油脂を組み合わせて使用することで、従来のマーガリン・ショートニングが有していた広い温度域での良好なスプレッド性やクリーミング性を、また折り込み用シートマーガリンでの伸展性を付与できるようになり、その結果、以前はこれらの油脂原料中のトランス脂肪酸量は20%を超えていたものが見られましたが、現在は1〜5%程度まで低減が図られています。
(2)ドーナツ用フライオイル
ドーナツ用フライオイルに求められる主な機能として、他の油脂原料とは異なり長時間170〜180℃という高温に晒されることから酸化や風味劣化に対する安定性が不可欠なこと、ドーナツは重量に占めるフライオイルに由来する部分の割合が多くなることから、ドーナツに相応しい風味を有すること、また日持ちが求められるドーナツでは製品が硬くなるのを最小限に止めることが必要となります。トランス脂肪酸を低減させて品質の維持を図るため、飽和脂肪酸を多く含むパーム油使用比率を高め、分別技術・エステル交換により酸化安定性の劣るリノール酸やリノレン酸等の多価不飽和脂肪酸量の比率を低くしております。その結果、ドーナツ用フライオイルでのトランス脂肪酸量は、以前は20〜30%近く含有されていましたが、現在は平均2%以下のレベルまで大幅な低減が図られています。
(3)ホイップクリーム
硬化油に由来するホイップクリームの油脂原料に求められる主な機能としては、良好な気泡性・保型性の付与があります。そのため、ホイップクリームとしての品質を維持し、トランス脂肪酸を低減させる手法として、分別技術、エステル交換技術、結晶調整技術などの様々な技術を組み合わせています。その結果、現在使用されているホイップクリームのトランス脂肪酸量は2〜3%台となっております。

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6.トランス脂肪酸等の分析について

ホームページに掲載のトランス脂肪酸の数値は、使用している原料油脂メーカーの情報に基づいて算出するか、または当社が独自に製品を分析して算出したものです。また、飽和脂肪酸およびコレステロールについては、一部は日本食品標準成分表に基づいているものもありますが、トランス脂肪酸と同様の方法によって算出しています。
なお、トランス脂肪酸の分析は主にAOAC 996.06(AOACインターナショナル公定法)または、基準油脂分析試験法 暫17-2007(日本油化学会の提唱する分析法)により行っています。

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7.主要な製品のトランス脂肪酸、飽和脂肪酸、コレステロール等の情報開示について

主要な製品のトランス脂肪酸、飽和脂肪酸、コレステロール及び一般栄養成分の情報を掲載いたします。
パン類等に含まれる脂質は私たちの身体にとって重要な三大栄養素の一つで、また脂溶性ビタミン(A,D,E,K)を溶かして体内に吸収させる働きがあります。特にデニッシュペストリーやドーナツなどを含む菓子パン類は、伝統的に脂質成分の働きによって一層おいしさや好ましい食感が引き出され、本来それを楽しむことに価値があるとされる製品です。今後も美味しさを維持しながらトランス脂肪酸の低減化を進めてまいりますが、個々の製品が持つ価値の多様性をご理解いただき、弊社の栄養成分に関する情報を食生活を豊かにし、バランスのとれた食生活に配慮していくための目安としてご活用ください。
尚、ここで掲載している情報は2016年10月1日現在のものです。栄養成分情報は定期的に更新いたしますが、使用原材料の変更や製品の改廃などにより、ご案内の内容が変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。


主要製品のトランス脂肪酸、飽和脂肪酸、コレステロール及び一般栄養成分の情報はこちらをご覧ください。
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