経営理念・経営方針

経営基本方針

綱領

  1. (1) わが社は、企業経営を通じて社会の進展と文化の向上に寄与することを使命とし、個人の尊厳と自由平等の原理に基づき、いのちの道の教えの言葉に従い、困難に屈することのない勇気と忍耐とによって、神のみこころにかなう永続する事業の実現を期すこと。
  2. (2) われわれは、常に良きものへ向って絶えず進歩しつづけるため、各人が自由な決心に基づき、正しき道につき、断固として実行し、自主独立の協力体制を作り、もって使命達成に邁進すること。

具体方針

 21世紀のヤマザキは、新しいヤマザキの精神と新しいヤマザキの使命に導かれて、いのちの道の教えの言葉に従い、すべての仕事を種蒔きの仕事から開始する「部門別製品施策・営業戦略」、「小委員会によるなぜなぜ改善」を行ない、次の六つの具体方針の実践、実行、実証に邁進する。


  1. 最高の品質と最善のサービス(今日到達しうるベストクオリティー・ベストサービスの実践、実行、実証)を目標とし、品質は今到達しうる最高のものであり、新鮮であること。 それは製品、組織、仕事、工場、財産並びに設備のなかに表わさるべきこと。
  2. 充実した効率のよい積極的な組織体を作りあげ、そして維持拡充していくため、あらゆる可能の努力を注ぐこと。 その組織体の人々は、会社を信頼し、仕事が喜びであり、普通ではできない仕事を完遂することが個人的な願望にまでなっていること。
  3. 入手できる限りの、事業に独特な要求に適合した最善の設備と施設を備えること。 この設備や施設の調達は、維持運営が経済的であることと会社の組織に最も仕事をしやすい道具を与えるという二つの観点から考えられること。
  4. 産業界と一般社会との間に協力関係を創り出し、維持していくため、実行可能な一切のことを行なっていくこと。
  5. 業務の遂行に関するすべての決定を行なうにあたって、常にその一件を処理する上での便宜よりも、事業全体にとって何が正しいか、何が最善であるかを中心に考えること。
  6. 顧客に接するときは、常に公明正大で、かつ相手が何を欲しているかを充分に考慮すること。 配達や品質やサービスについては、その成果が最優秀なものになるように努力すること。

21世紀のヤマザキの経営方針(前文)

 山崎製パン株式会社創業者飯島藤十郎社主は、昭和38年10月の武蔵野工場の建設稼働に当たって、顧客本位の精神で、潜在需要に着目しイノベーション(技術革新)によって需要を創造するという、前向き積極的なピーター・ドラッカー博士の経営理論に導かれて、「企業経営を通じて社会の進展と文化の向上に寄与することを使命とし、常に良きものへ向って絶えず進歩しつづける自主独立の協力体制を作り、もって使命達成に邁進する」という山崎製パン株式会社の「経営基本方針(綱領および具体方針)」を制定し、その実践、実行、実証に徹して努力してまいりました。
 武蔵野工場の建設を機とする製パン事業の全国展開は試練と困難を乗り越え順調に推移しましたが、製菓事業に取り組む中で、飯島藤十郎社主は健康を損ない、当社は社内の混乱と争いに陥ってしまいました。その混乱と争いからの脱出の道を求めて、昭和48年7月15日、飯島藤十郎社主夫妻と私飯島延浩の3人は揃って、池の上キリスト教会の山根可弌牧師によって受洗の恵みに入れていただきました。受洗の日から数えて11日目の昭和48年7月26日の早朝、当社の最有力工場武蔵野工場が生産設備を全焼する火災に遭遇し、火災の翌日、飯島藤十郎社主は社主夫人と私を連れて教会を訪れ、講壇の前で山根牧師に祈っていただくとともに、社主も祈りました。
 「この火災は、ヤマザキがあまりにも事業本位に仕事を進めてきたことに対する神の戒めです。これからのヤマザキは、神のみこころにかなう会社に生まれ変わります。」
 この社主の祈りに社主夫人も私も祈りを合わせ、社主の祈りを通し、聖書の教え・キリスト教の精神を基盤とし、ピーター・ドラッカー博士の経営理論に導かれる事業経営を行うとともに、神のみこころにかなう会社にならんとする新しいヤマザキがここからスタートいたしました。
 また、武蔵野工場の復旧プロジェクトの一員として武蔵野工場に派遣された私は、武蔵野工場の焼け跡に立って、火災の翌日、関東6工場に武蔵野工場の従業員を派遣し、夜勤で武蔵野工場受注分の製品を製造し、火災の3日目から武蔵野工場の生産営業活動を再開した、生産設備を全焼した火災に敗けず3日目から復活して活々と事業活動に励む武蔵野工場の姿を見て不思議な思いにとらわれ、その時、山崎製パンに神より与えられた使命、山崎製パンの社会的使命、新しいヤマザキの精神を与えられました。それを言葉にして言い表わすと「日々、お取引先からご注文いただいた品は、どんな試練や困難に出会うことがあっても、良品廉価・顧客本位の精神でその品を製造し、お取引先を通してお客様に提供する」ということです。
 この後、私は山崎製パンに与えられた神よりの使命、山崎製パンの社会的使命、新しいヤマザキの精神から一時も目を離さず、その実践、実行、実証に徹して努力してまいりました。
 新しいヤマザキが発足しましたが、新しいヤマザキは改めて社会に表面化する紛争に突入してしまいました。しかし、社主の祈りと新しいヤマザキの精神とともに、神の力と助けがあり、昭和54年3月末、飯島藤十郎社主の心を心とする当社の新経営陣による自主独立の経営体制である新体制が発足し、私が山崎製パン株式会社代表取締役社長に就任いたしました。当社はクリスチャンの会社ではなく、聖書の教え・キリスト教の精神に導かれる事業経営を徹底して追求してきた会社であります。
 平成12年(2000年)7月、当社は虫クレームに関する食品安全衛生管理体制の整備に全社を挙げて取り組むことを社会的使命と受けとめ、その対策の実践、実行、実証に取り組み、その結果、それまで取り組んできた細菌面の食品衛生管理体制に加え、AIB食品安全国際検査統合基準による指導・監査システムを導入し、更に食品表示管理体制を整備して、平成13年(2001年)、科学的根拠をもった食品安全衛生管理体制を構築いたしました。科学的根拠の上に立った食品安全衛生管理体制の上に築き上げる科学的・合理的・効率的な21世紀の事業経営手法を求めて、平成13年(2001年)10月、主イエス・キリストの教え山上の垂訓の中に生命の道を見出し、平成14年 (2002年)1月から、生命の道の教えに従う部門別製品施策・営業戦略、小委員会による「なぜなぜ改善」に取り組んでまいりました。
 その時以来12年余りを経て、当社は主イエス・キリストとともに歩む生命の道を一度歩み切る幸いを得、生産部門、営業部門一体となって行う業務執行体制を構築することができました。そして、生命の道全体を導く言葉は「神の国とその義を先ず第一に求めなさい。そうすれば、それに加えてこれらのものはすべて与えられます。」というみ言葉であることを知りました。神の国とは、神のみこころを行い、継続して良い実を結ばせる自主独立の協力体制のことであり、神の国の義とは、自主独立の協力体制の中で行う神の言葉に導かれ神のみこころにかなう日々の仕事のことです。また、神の言葉とは、当社にとって「良品廉価・顧客本位の精神で品質と製品、サービスをもって世に問う」というヤマザキの精神を表す言葉であり、神のみこころにかなう仕事とは、「知恵と知識によって変化に挑戦し、新しい価値と新しい需要を創造する」という生命の道を導く言葉に従った日々の仕事です。21世紀のヤマザキの事業経営手法である生命の道の教えに従う部門別製品施策・営業戦略、小委員会による「なぜなぜ改善」は、平成14年(2002年)1月より当社において取組みが開始され、12年余りを経てようやく一度歩み切れたもので、今後、子会社にも順次導入してまいります。
 当社は、今後も生命の道の教えに従った科学的根拠をもった合理的・効率的な21世紀の事業経営のあるべき姿を徹底して追求するため、当社の経営基本方針に加えて、生命の道の教えに導かれる21世紀の事業経営手法を導入する21世紀のヤマザキの経営方針を定め、その実践、実行、実証に徹して努力してまいります。

21世紀のヤマザキの経営方針

 当社は、21世紀の事業環境と社会の変化に対応するため、「企業経営を通じて社会の進展と文化の向上に寄与することを使命とし、自主独立の協力体制を作り、もって使命達成に邁進する」という顧客本位の精神で、潜在需要に着目しイノベーション(技術革新)によって需要を創造するという、前向き積極的なピーター・ドラッカー博士の経営理論に導かれる山崎製パン株式会社の「経営基本方針(綱領および具体方針)」を改めて高く掲げると同時に、これを補完するものとして、「日々、お取引先からご注文いただいた品は、どんな試練や困難に出会うことがあっても、良品廉価・顧客本位の精神でその品を製造し、お取引先を通してお客様に提供する」という、新しいヤマザキの精神に導かれ、科学的根拠の上に立った食品安全衛生管理体制の上に築き上げる科学的・合理的・効率的な事業経営手法として、生命の道の教えに従ったすべての仕事を種蒔きの仕事から開始する部門別製品施策・営業戦略、小委員会による「なぜなぜ改善」を実践、実行、実証することで、新しい価値と新しい需要を創造し、社会の負託に応え社業を前進させることを21世紀のヤマザキの経営方針といたします。

 事業経営の具体的遂行に当たっては、経営陣、管理職は、本物の5S・全員参加の5Sとピーター・ドラッカー博士の5つの質問を連動させる「2本立ての5S」を行うとともに、生命の道の教えに従った部門別製品施策・営業戦略をピーター・ドラッカー博士の5つの質問と連動させ、「私たちの使命は何ですか」(What is our mission?)と問うだけでなく「私の使命は何ですか」(What is my mission? )と問い、生産部門・営業部門一体となった業務を推進するとともに、内部管理体制を充実・強化して、各部門毎の自主独立の協力体制を構築いたします。また、「良品廉価・顧客本位の精神で品質と製品、サービスをもって世に問う」というヤマザキの精神と「知恵と知識によって変化に挑戦し、新しい価値と新しい需要を創造する」という生命の道を導く言葉によって日々の仕事の実践、実行、実証に励み、業績の着実な向上を期してまいります。