従業員とともに
ヤマザキグループでは、「企業経営を通じて社会の進展と文化の向上に寄与することを使命」とする経営基本方針に則り、社員一人ひとりが高い人権意識を持って仕事に取り組んでいく事が大切であると考え、全事業所に「人権啓発推進委員会」を設置し、人権教育啓発活動の推進、人権に関わる相談窓口の設置及び運営等、グループ一体となった人権意識の向上等に取り組んでいます。
人権尊重への取り組み
人権啓発推進委員会 活動方針
基本的人権の尊重
私たちは、「個人の尊厳と自由平等の原理に基づき事業を永続させる」という人権尊重の精神を基盤とする『経営基本方針』に則り、あらゆる人の尊厳と基本的人権を尊重し、性別、年齢、国籍、人種、民族、宗教、信条、社会的身分、性的指向・性自認、障がいの有無などを理由とした一切の差別を行いません。
- 1. 人権啓発活動の充実
- 私たちは、従業員一人ひとりが人権に関する正しい知識と理解を深めるため、あらゆる機会を通じ、幅広い人権啓発に取り組んでいきます。
- 2.風通しの良い職場作り
- 私たちは、『21世紀のヤマザキの経営方針』に示される『全員参加の5S』を基盤として、全ての従業員がお互いを認め合い、自由闊達なコミュニケーションを深めることによって、働きやすい職場環境を確立していきます。
- 3.ハラスメント行為の禁止
- 「ヤマザキは職場のハラスメントを許しません」
私たちは、お互いの人格を尊重し、相互に信頼し合うことでその能力を発揮することができるよう、ハラスメントに該当する行為を禁止し、その防止に努めます。
人権啓発推進体制

主な取り組み
1人権啓発推進委員会の定期開催
ヤマザキでは、各事業所に事業所長を委員長とする人権啓発推進委員会を設置しています。 委員会は事業所の各部門から選任された「人権啓発推進委員」で構成されており、
1) 山崎製パン(グループ)の人権に対する方針の明確化と周知・啓発
2) 人権に関する相談、苦情対応のための相談窓口の明確化と相談体制の整備
3) 職場で人権問題が生じた場合の迅速かつ適切な対応
4) 人権を尊重した明るく働きやすい職場づくりに向けた広報、啓発活動の推進
を目的として活動を推進しています。
2階層別の人権啓発研修の実施
管理職昇進者研修、準管理職研修、係長昇進者研修、基幹職研修、新入社員研修、社員登用者研修、社員入社後フォロー研修など各階層別の研修において人権啓発に取り組んでいます。
3採用担当者に対する「公正採用選考研修」の実施
公正な採用選考は、様々な人権に関する課題の中でも重要な業務であり、当社では従前より採用方針、選考基準、選考方法、判定基準を明確化し、応募者の基本的人権を尊重した厳正な採用選考体制を敷いています。具体的な取り組みとして、各事業所での採用選考においては、「採用選考ハンドブック」の厳格運用による公正な採用を徹底し、とりわけ9 月に実施の「高卒者統一採用選考」では面接官全員に、公正採用に関する事前研修を毎年実施しています。
4人権週間への取り組み
「人権イベントの実施」
毎年、法務省が定める人権週間活動行事の一環として、 人権啓発推進委員が主体となって、各事業所において「人権啓発イベント」を実施しています。人権啓発映画会、体験 コーナー、人権啓発パネル・ポスターの展示等により、分かりやすいタイムリーな内容の展示を心がけ、従業員の人権尊重の意識の醸成を図っています。
「人権啓発標語の募集」
ヤマザキグループ内にて人権啓発標語の応募活動を行い、優秀賞の表彰を実施しています。2021年度は、グループ合計で16,505点の応募がありました。
また、毎年実施される「東京人権啓発企業連絡会」主催の人権啓発標語募集事業に、グループの優秀作品を応募しており、2020年度には職場の部で優秀賞と佳作、家族の部で佳作を、2021年度は家族の部で優秀賞を受賞し表彰されました。
「人権啓発朝礼の実施」
毎年人権週間の期間に、各職場の人権啓発推進委員が、人権を題材としたスピーチを実施し、職場における人権尊重意識の高揚を図っています。
5「東京人権啓発企業連絡会」への加入
当社は1980年より「東京人権啓発企業連絡会」に加入し、あらゆる差別の撤廃と人権問題の解決に、会員企業とともに取り組んでいます。
ダイバーシティ(人材の多様性)
人権啓発推進委員会の掲げる基本的人権尊重の活動方針のもと、ヤマザキで働く従業員一人ひとりが 持てる力を発揮し、活躍できる働きやすい職場環境づくりに取り組んでいます。
女性の活躍推進
ヤマザキでは、性別にかかわらず個人の能力や適性に応じた適材適所の人材配置を基本としています。近年、新製品開発や中央研究所、小売店舗の運営など女性の活躍の場が拡大しており、女性役職者の登用と育成についても積極的に推進しています。
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製品開発担当者による新製品検討会
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ベーカリー店舗の店長
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中央研究所の研究員
障がい者雇用の推進
当社は、人権啓発活動を基盤として、障がいのある方が働く特定部署をつくるのではなく、一人ひとりの障がいの種類や程度に応じて、共に働く仲間が助け合いながら就労できる働きやすい職場環境づくりに取り組んでいます。現在654名の方が、工場、本社、自社業態店など様々な部署(2022年6月現在、生産部門:350名、営業部門178名、管理部門:126名)でイキイキと働いています。
また、当社の自社業態店舗や工場生産実習による「特別支援学校」就労教育への協力、障がい者の自立を目的とした「就労支援施設」が運営するベーカリー店舗等に対する冷凍生地の提供や技術指導など、障がい者の方への間接的な就労支援も行っています。
高年齢者の活躍推進
ヤマザキでは、定年退職後の生活基盤を確保し、いきいきと意欲を持って仕事をしていただくための定年退職後再雇用制度として、2002年に「スキルドパートナー制度」を導入し、希望者をスキルドパートナーとして再雇用しています。2013年4月には、スキルドパートナー制度を一部改定し、高年齢者のさらなる職域拡大と定年退職後の生活基盤の確保につなげています。
スキルドパートナー在籍者数推移
(※ハーフタイム勤務者は0.5人でカウント)

外国人従業員への配慮
ヤマザキグループでは、製パン工場やサンドイッチ・お弁当を生産している㈱サンデリカにおいて、外国人従業員の方々にも活躍していただいています。外国人従業員の方々にも受け入れ時の研修を実施するとともに、社内ルールを確実に理解していただくため、各種表示、マニュアルを多国語やひらがな等のわかりやすい表現とし、労働安全衛生、食品安全衛生を中心とした 管理体制の徹底を図っています。また、ヤマザキで培った技能、技術や知識をもとに、母国の経済発展等を担う「人づくり」に寄与することを主たる目的とした技能実習生を受け入れています。

外国人向けの安全衛生・食品衛生ハンドブック(ベトナム語版)
仕事と育児・介護の両立を支援
ヤマザキでは、全ての従業員が 仕事と育児・介護との両立を図る ことができるよう、各種人事制度 を導入しています。育児短時間勤 務については、1日8時間の就業時 間を最大2時間短縮する制度で、 従業員の利用が拡大しています。
育児休業、育児短時間勤務制度利用者数推移

地域社員制度
ヤマザキでは、転居を伴う異動がない働き方をすることができる地域社員制度を2015年より導入しています。従業員の仕事に対する価値観の変化に対応するとともに、仕事と生活の調和や多様なキャリア形成の実現につなげています。
地域社員在籍者数推移

労働安全衛生
ヤマザキでは「安全と健康は事業経営の推進ならびに従業員の生活を支える基盤である」を基本方針とし、安全最優先の職場風土づくりに努めています。また、管理職には「職場の労働安全は第一のマイミッション」のスローガンを掲げて、労働安全衛生管理体制の整備充実強化に日々取組んでいます。
労働安全衛生管理体制の整備充実強化について
当社では安全・安心な職場づくりを目指し、2021年4月に「労働安全管理体制強化決起大会」を執り行いました。また、労働安全強化に向けて、
①全員参加の5S活動を活用すること
②社外専門家による各事業所への安全衛生実査巡回を実施すること
で、現場の実態に即した労働災害の未然防止と従業員の安全意識の向上につなげることを目標としました。

会社幹部出席のもと行われた決起大会(労働安全宣誓)
労働安全衛生改善の強化について
当社では労働安全衛生の社外専門家による「安全衛生実査巡回」を全事業所で実施し、以下の内容で5S活動を取り入れながら労働安全衛生活動の底上げにつなげています。
1「安全衛生実査巡回」においての指摘事項の改善
実査巡回での指摘事項については、課の最重要課題として改善を図る。
2安全日誌、チョコ停・ヒヤリハット、工務課出動データ、安全パトロールの指摘事項の改善
活動で得たデータの分析や状況把握を行い、課題を明確にした上で計画的に改善を行う。
35S活動(なぜなぜ改善)による労働安全衛生改善
①②での課題について、なぜなぜ改善の手法を用いて5S活動・チームで改善に取り組む。
4有効事例の情報共有と水平展開
従業員との対話、5S小委員会、5S交流会等を通じて内容を把握・共有し、好事例は全事業所で水平展開を行う。
労働安全衛生活動における重点実施事項
従業員への労働安全衛生教育
当社では、役職や資格等級、雇用区に合わせた様々な労働安全衛生教育を実施しています。最近の労働災害の傾向としては、「被災者の不安全行動に起因する」労働災害が発生している為、全従業員に対する安全研修を実施し、日々の作業についての意識と行動を変えることで、行動に起因(ヒューマンエラー含む)する災害の未然防止活動を行っています。
従業員の健康管理
健康保険組合と連携した健康の維持向上に向けた取り組み
1特定健診・特定保健指導
特定健診の結果からメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の予防が必要な方に対して保健指導を実施しています。対象の方が、自らの健康状態を把握し、食事・運動などの生活習慣改善のため、自分に合った行動目標を設定・実行できるよう健康管理室スタッフ(産業医・看護師等)が支援を行っています。
2従業員食堂で健康づくりを応援
従業員食堂では、専任の栄養士による栄養バランスのとれたメニューが朝、昼、夕、夜食まで豊富にそろっています。特に全国労働衛生週間中(10/1~7) には、食の大切さや健康意識を高めさせる「健康メニュー」を提供しています。健康管理においては、バランスの良い食事と豊富なメニューは、仕事への活力にもなっています。
3健康チャレンジキャンペーン
年2回(春・秋)に分けて、被保険者を対象として、「健康チャレンジキャンペーン」をWEB上で開催しています。生活習慣改善に向けたコース設定・実践や1日の歩数をスマートフォンやパソコンを用いて結果を記録するだけで自動的にポイントが貯まり、豪華景品と交換が出来る活動です。このキャンペーンを活用して、生活習慣の改善や運動習慣のきっかけの一助としています。

従業員への啓蒙ポスター(一部)
4心身の健康に関する啓蒙・啓発活動
全従業員が心身の健康を維持できるよう、法定健診後の確実なフォロー体制の構築、過重労働による健康障害防止を目的とした助言指導や面接指導、ストレスチェックの集団分析結果を活用した職場環境改善、産業医によるメンタルヘルス講話の実施等、心身の健康づくりへの支援を行っています。
5禁煙サポートプログラム
5月31日の「世界禁煙デー」に合わせ、禁煙サポートプログラムを実施しています。2020年度より、通院することなくオンラインで受診し、さらに処方された薬が自宅に届く「オンライン禁煙」を始めました。
従業員同士の交流
働きやすい職場づくりのためには、従業員の連帯感とコミュニケーションの充実が重要と考え、ヤマザキの各事業所では、従業員旅行や成人式、ファミリーバスハイクなどの諸行事を実施しています。さらに、従業員組合とタイアップしてスポーツサークル・文化サークル活動の充実にも力を入れ、事業所間での交流も盛んです。
※新型コロナウイルス感染防止のため一部の行事や活動を休止しています。
「新しいヤマザキ」を
牽引する人材の育成
ヤマザキでは、世の中の変化を先取りして、革新的にチャレンジする人材を育成しています。
人材育成の考え方
ヤマザキでは、早くから企業成長の原動力は人材であることを認識し、「人材の育成」「社員の能力開発」に取り組んできました。このことは今後の事業展開にも、最も重要なキーになるものと確信しています。
各種研修によるキャリアアップ支援
ヤマザキでは、入社時研修をはじめ、階層別研修や、部門ごとの専門性を高める部門別研修、さらには個々人が独力でスキルアップを図る通信教育など、多角的な研修プログラムを体系化しています。生産部門では、毎年70名程度の従業員が日本パン技術研究所や当社の製パン技術伝承の場であるVEM技術研修所での研修を通じて、製パンの理論やノウハウを習得しています。
また、パン・洋菓子製造の知識や技術の習得に加え世界の食文化を体感し、国際感覚を養うことを目的とした数カ月にわたる海外研修も実施しています。
キャリアアップ体系図
2本立ての5Sによる人材育成
ヤマザキでは、ピーター・ドラッカー博士の5つの質問によってあるべき姿を求め
実践する管理職の5Sと、従業員が身の回りの困っていること、もったいないことに気づき改善する全員参加の5Sからなる2本立ての5S活動に取り組んでいます。全員参加の5S活動により、従業員の声を改善に活かすとともにコミュニケーションの
向上を図ることで、変化に対応して主体的に現場改善ができる人材の育成を行い、やりがいと一体感のある働きやすい効率的な職場づくりを推進しています。
また、5S活動を通じた食品安全衛生、労働安全衛生を基盤とした品質向上への 取り組みにより、製品ロス削減、生産性向上、収益向上などにつなげています。