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「イーストフード、乳化剤不使用」等の強調表示に関する当社の見解

 最近、製パン業界において「イーストフード、乳化剤不使用」等の強調表示のある食パン、菓子パンが少なからず販売されています。日本パン公正取引協議会が年二回実施している食パンの表示検査会においても、検査員の消費者モニターの皆様から、こうした強調表示に関するご質問が増えていることから、この度、日本パン工業会ならびに日本パン公正取引協議会において、「イーストフード、乳化剤不使用」等の強調表示の適正性と、その科学的な根拠について徹底した調査検討をいたしました。
 当社のお客様相談室へも、他社が行っている「イーストフード、乳化剤不使用」等の強調表示に関するお問い合わせが増えておりますので、当社中央研究所において、こうした「不使⽤」強調表⽰のある市販の⾷パンや菓⼦パンについて、 商品中のイーストフードの代替成分の分析、また油脂成分を抽出し、その油脂成分の中にある乳化剤成分の分析等を実施し、科学的な⾒地からこの強調表⽰の適正性と科学的根拠について精査いたしました。

■「イーストフード、乳化剤不使用」等の強調表示のある商品は
イーストフードや乳化剤と同一の成分あるいは同一の機能をもった
代替物質を使用しています。

 「イーストフード、乳化剤不使⽤」等の強調表⽰のある⾷パンや菓⼦パンは、イーストフードや乳化剤を添加物表⽰義務のない物質で代替し、表⽰義務は回避しているものの、イーストフードについては、蛋⽩質分解酵素によってパン酵⺟(イースト)の栄養である窒素源(アミノ酸)を⽣成させたり、⽔の硬度調整のためにカルシウム等のミネラルを含む天然物を代替使⽤しています。こうした代替物質はイーストフードと同質、同機能を有しており、実際はイーストフードを使⽤して製造された⾷パンや菓⼦パンと何ら差のあるものではありません。国がその安全性、有⽤性を評価しているイーストフードを使⽤することは、量産設備による⾷パン、菓⼦パンの製造において根幹をなす基礎技術です。イーストフードと同質の機能を有する代替物質を使⽤しながら「イーストフード不使⽤」等の強調表⽰をすることは、製パン技術の基盤を否定し、イーストフードが不必要であるかのような誤解や、イーストフードの安全性に問題があるかのような誤認をお客様に与える不適切な表⽰です。
 また乳化剤については、原料油をエステル交換技術や酵素技術によって加工し、その加工過程において乳化剤であるモノグリセライドやジグリセライドを生成させたり、あるいは乳化機能を持つ物質を添加物表示義務の生じない方法で使用した乳化油脂を使用しており、実質的には乳化剤あるいは乳化油脂を使用した食パンや菓子パンです。また、製パン工程中でリパーゼなどの酵素を添加し、パン生地中に乳化剤であるモノグリセライドやジグリセライドを生成させて、パンの保水性や柔らかさの保持を図っています。これらの「不使用」強調表示のある食パンや菓子パンから抽出された油脂中には、乳化剤であるモノグリセライドやジグリセライド、また植物由来の乳化物質や、卵由来の乳化物質が検出されました。
 モノグリセライドやジグリセライドは、原料油脂の中にもともと存在するものであっても、キャリーオーバーであっても、また原料油脂の加工工程で生成されたものであっても、更にはパンの製造工程において生成されたものであっても、乳化剤として食品添加物に指定されているグリセリン脂肪酸エステルです。植物由来や卵黄由来の乳化剤である植物レシチンや卵黄レシチンは食品素材の中に含まれています。その乳化機能を強化するため、濃度や純度を高め一定の濃度や純度にしたものが食品添加物に指定され表示義務が課されます。しかし一定の濃度や純度以下であると食品添加物ではなく、食品素材としての表示となります。食品添加物表示を回避するために、食品素材として植物油や卵黄油を使用して製造された食パンや菓子パンは、食品添加物表示義務は生じませんが、植物レシチンや卵黄レシチンを利用して製造した食パンや菓子パンです。このような乳化剤であるモノグリセライドやジグリセライド、植物レシチンや卵黄レシチンが検出される食パンや菓子パンに、「乳化剤不使用」等の強調表示をすることは、実質的には乳化剤であるモノグリセライドやジグリセライド、植物レシチンや卵黄レシチンを利用して製造し、それらの乳化物質を含有する食パンや菓子パンであり、「乳化剤不使用」等の強調表示は事実誤認を与える表示です。

■イーストフードや乳化剤は安全性が公認され
広く使用されている食品添加物です。

 イーストフードや乳化剤は、国際的に安全性が公認され、国が科学的根拠をもってその安全性を評価している食品添加物です。イーストフードはパン酵母(イースト)の栄養源であり発酵を手助けする食品添加物です。また乳化剤は、水と油のような混ざりにくい食品素材を均等に混ぜ合わせるために使用される食品添加物で、パンの保水性を高めパンを長く柔らかく保ちます。
 イーストフードや乳化剤の使⽤は、量産設備により⾷パン、菓⼦パン類を製造販売する製パン業界にとって根幹をなす製造技術であり、イーストフードや乳化剤を使⽤せずに、品質の⾼いおいしい⾷パン、菓⼦パンをつくることはできません。⽇本パン⼯業会の会員企業では、「イーストフード、乳化剤不使⽤」等の強調表⽰をしている会社も、強調表⽰をしていない⾷パン、菓⼦パンにあっては、イーストフード、乳化剤を使⽤して製造販売しており、イーストフードや乳化剤の安全性に疑念を持っている会員企業は⼀社もありません。

■「イーストフード、乳化剤不使用」等の強調表示は
お客様に誤認を与える不適切な表示です。

 お客様が「イーストフード、乳化剤不使用」等の強調表示をご覧になると、実際にはイーストフードや乳化剤の機能を持つ代替物質を使用しているにもかかわらず、この食パンや菓子パンにはイーストフードや乳化剤はその代替物質を含め一切使用されていない、もしくは一切含まれていないと誤解し誤認される恐れがあります。更には、安全性が国際的に公認され広く使われているイーストフードや乳化剤に何か問題があり、「不使用」強調表示がされている食パンや菓子パンが、食品安全面、健康面で、あたかも優位性がある商品のように誤認される恐れがあり、適切な表示とは言えません。
 現在、⽇本パン⼯業会ならびに⽇本パン公正取引協議会では、「包装⾷パンの表⽰に関する公正競争規約」を改定し、お客様に誤認される恐れのある不適切な強調表⽰をしないための⾃主ルール作りを検討しています。当社は今般、⾷パン、 菓⼦パンについて、商品中のイーストフードの代替成分や油脂成分の分析等を実施し、「イーストフード、乳化剤不使⽤」 等の強調表⽰の適正性と科学的根拠について精査いたしましたが、科学的⾒地から⾒て、またその⾷パンや菓⼦パンを消費されるお客様の⽴場から⾒て、更には⾷パンや菓⼦パンの表⽰のあるべき姿から⾒ても、「イーストフード、乳化剤不使⽤」等の強調表⽰は不適切な表⽰であり、直ちに取り⽌めるべきだと考えています。

 当社は、科学的根拠をもった食の安全安心を事業基盤として、今後も「良品廉価・顧客本位の精神で、製品と品質、サービスをもって世に問う」というヤマザキの創業の精神に則り、お客様に喜ばれる、安全安心で品質の高い食パンや菓子パンの提供に努めてまいります。また、日本パン工業会ならびに日本パン公正取引協議会の活動を通し、科学的な根拠をもった業界の一致をはかるとともに、お客様の商品選択に資する正しい表示を実施し、わが国の食生活の向上と食文化の発展に全身全霊をあげて寄与してまいります。

 なお、日本マーガリン工業会に加盟する大手油脂メーカー3社から、当社中央研究所の油脂成分分析結果は相当であり、またイーストフード、乳化剤は安全性が確認され担保された有用な食品添加物であり、特に乳化剤については、製パン業界のみならず油脂業界をはじめ広く食品業界で使用されている旨の見解をいただいております。

イーストフードの働きと、添加物表示義務を回避する技術について

 イーストフードとは、パン酵母(イースト)の栄養源として働くなど、発酵を助ける添加物の一括名です。パン酵母の活動が活性化されることにより、パンの風味や香り、食感、ボリューム感、ソフトさなどが向上し、安定して品質の良いパンをつくることが可能になります。食品表示法でイーストフードという一括名の表示が認められている食品添加物は18種類あります。

1.イーストフードの働き

①イーストの栄養補給源 パン酵母は生きもので、植物に似た細胞性質を持っており、安定した活動をするためには様々な栄養源が必要ですが、特に生育に必要な3要素である窒素(N)、リン(P)、カリウム(K)が、パン酵母の活動と生育には不可欠となります。これらのうち、パン生地中にはもともとリンとカリウムはある程度十分な量が含まれていますが、窒素は不足しているため、これを補う窒素源となる成分が利用されます。
②原料水の
質の改善
製パン工程においては水質がパンの品質に大きく影響し、ある程度の硬度を持った硬水が製パン用として適しています。一般的に水道水は軟水で硬度調整が必要であるため、カルシウム(Ca)塩、マグネシウム(Mg)塩を含む成分が利用されます。
③pH調整 パン生地中の水素イオン濃度(pH)は、パンの骨格を作るグルテンの形成に大きな影響を与える要素です。パン酵母の発酵、小麦粉の水和、グルテンの熟成、酵素活性、細菌の繁殖防止、パンの風味・色等の点で、パン生地を最適なpHであるやや酸性側に保つ機能を持つ塩類が利用されます。

2.イーストフードの添加物表示義務を回避するための技術

 イーストフードの表示が必要な成分を使用せずに、イーストフードと同等の効果が得られる代替成分(代替技術)としては、以下のものがあげられます。

パン酵母の栄養源として、小麦蛋白、ペプチド及び蛋白質分解酵素(エキソ型)をパン生地中の蛋白質に作用させ、生成したアミノ酸を窒素源等とする。
水の硬度調整のため、天然物のドロマイト(炭酸カルシウムマグネシウム含有物)を用いる。
生地物性安定化促進のためのpH調整のため、乳清蛋白、乳清ペプチドや②のドロマイトを利用する。

市販食パン中のイーストフードに関する分析結果について

 当社中央研究所において、当社食パンを含む一部の市販商品(食パン)についてイーストフードに関する成分分析を行った結果、「イーストフード、乳化剤不使用」等の強調表示がされている食パンにおいても、代替物質、代替技術によってイーストフードと同質、同機能を付与して製造しているものと判断されました。  

1. パン酵母(イースト)の栄養源となる代替物質を生成させる代替技術の分析

 イーストフードの代替技術の一つとして、蛋白質分解酵素(プロテアーゼ)により、小麦粉中のペプチドを分解してできるアミノ酸を、イーストの栄養源として代替利用することができます。この場合、酵素であるプロテアーゼはパンの加熱工程中に失活するため、添加物表示義務は生じません。
 今回、食パン中のペプチドをLC-UV(紫外部吸収検出器付き高速液体クロマトグラフ)で分析した結果、イーストフード不使用の強調表示がされているA社、B社、C社の食パン中に含まれているペプチドの量が、プロテアーゼ不使用の食パンよりも有意に減少していました(図1)。この結果から、プロテアーゼの使用により小麦粉中のペプチドの一部をアミノ酸に分解し、イーストの栄養となる窒素源として利用しているものと判断されました。

  • 図1 LC-UV分析による食パン中のペプチド量

2. 水の硬度調整のための代替物質の分析

 イーストフードはイーストの栄養源としての機能の他に、仕込水の硬度調整のためにカルシウム塩等がイーストフードとして使用されます。
 食パン中のカルシウム塩量をICP-OES(誘導結合プラズマ発光分光分析)で分析した結果、イーストフード不使用の強調表示がされているA社、B社、C社の食パンから、水の硬度調整に使われるイーストフードを使用した当社食パンと同等またはそれ以上の量のカルシウム塩が検出されました(図2)。また、A社、B社、C社の食パンからは、カルシウムを含有する天然物に特徴的に含まれる微量成分も相当程度の量、検出されました。これらの結果から、粉末化したドロマイト等のカルシウム含有天然物を代替物質として使用しているものと判断されました。なお、ドロマイト等の天然物は、添加物製剤中の食品素材として使用する場合、添加物表示が不要となります。

  • 図2 食パン中カルシウム塩のICP-OESスペクトル

乳化剤の働きと、添加物表示義務を回避する技術について

 乳化剤とは、水と油のような本来混じり合わないものの境界面で均一な状態を作る効果をもたらし、食品中で乳化、分散、浸透、洗浄、起泡、消泡、離型等の目的で使用される添加物の一括名です。食品表示法で乳化剤という一括名の表示が認められている食品添加物は25種類あります。

1.乳化剤の働き

 パンにおいて乳化剤を使用する目的としては、澱粉との複合体をつくり保水性を高めてパンの柔らかさを維持すること、パン生地の物性を適度な伸展性を有した良好な状態にすること、また生地強化作用など、ソフトでボリュームのあるパンを製造するため複合的な働きをしています。
 一般的に製パンに利用されている代表的な乳化剤は、グリセリンに脂肪酸が一つ結合したグリセリン脂肪酸エステル(モノグリセライド)で、主に植物性油脂から作られます。

2.乳化剤の添加物表示義務を回避するための技術

 乳化剤の表示が必要な成分を使用せずに、乳化剤と同等の効果が得られる代替成分(代替技術)としては、以下のものがあげられます。 

製パン工程における乳化剤の代替技術
  • ・脂質に脂質分解酵素(リパーゼ)を作用させ、乳化剤の成分であるグリセリン脂肪酸エステル(モノグリセライド、ジグリセライド)を生成させる。
  • ・耐熱性澱粉分解酵素(アミラーゼ)が澱粉に作用することで、製品の老化を遅延させる。
  • ・蛋白分解酵素(プロテアーゼ)が小麦蛋白に作用し、蛋白が一部ペプチド化し、パン生地の物性を改善する。
  • ・糖質分解酵素(ペントサナーゼ)により、焼成時の窯延びを改善する。
製パン原料(マーガリン等)における乳化剤代替技術
  • ・脂質に脂質分解酵素(リパーゼ)を作用させ、油脂中に乳化剤成分であるグリセリン脂肪酸エステル(モノグリセライド、ジグリセライド)を生成させる。
  • ・エステル交換により、良好な可塑性を有した脂肪酸の組み合わせとする。
  • ・乳脂肪球皮膜の乳化力を利用する。
  • ・卵黄油の使用によるレシチンの乳化力を利用する。

市販パン商品中の乳化剤成分分析結果について

 当社中央研究所において、当社商品を含む一部の市販商品(食パン、バターロール(マーガリン入り))について乳化剤に関する成分分析を行った結果、「イーストフード、乳化剤不使用」等の強調表示がされている商品においても、添加物表示が必要な乳化剤と同一の成分が検出されています。

1.食パンの分析結果

 食パン中に含まれる乳化剤成分をLC-MS/MS(質量検出器付き高速液体クロマトグラフ)およびGC-FID(水素炎イオン化検出器付きガスクロマトグラフ)で分析した結果、乳化剤不使用の強調表示がされているA社、B社商品から、乳化剤成分であるモノグリセライドが検出されました(図1-①、②)。ジグリセライドもGC-FID(水素炎イオン化検出器付きガスクロマトグラフ)による分析で検出されました(図2)。また、小麦由来と推定される乳化剤成分(リン脂質【レシチン、リゾレシチン】)がLC-MS/MSによる分析で検出されました(図3)。

  • 図1‐① 食パン中モノグリセライドの
    LC-MS/MSスペクトル

  • 図1‐② 食パン中モノグリセライドの
    GC-FIDクロマトグラム

  • 図2 食パン中ジグリセライドの
    GC-FIDクロマトグラム

  • 図3 食パン中レシチンの
    LC-MS/MSスペクトル

2.バターロール(マーガリン入り)の分析結果

 乳化剤不使用の強調表示がされているC社商品の注入マーガリンをLC-MS/MSで分析した結果、卵黄油を用いたと推定される乳化剤成分(卵黄レシチン)が検出されました(図4)。エステル交換油脂についても使用が確認されました。また、GC-FIDで分析した結果、原料油由来と推定される乳化剤成分(モノグリセライド、ジグリセライド)が検出されました。

  • 図4 バターロールマーガリン中レシチンの
    LC-MS/MSスペクトル

※ 卵黄レシチンについて

卵黄レシチンは卵黄に含まれている乳化剤成分であり、卵黄や卵黄油としての使用の場合は原材料(卵、卵黄、卵黄油などと表示)となり、一定以上の純度で抽出、精製されたレシチンとして使用の場合は添加物(乳化剤または卵黄レシチンと表示)となります。

●イーストフードに関する分析

【試料抽出⽅法】

  • ・⾷パン中のペプチド

     ⾷パン(クラム)に精製⽔を添加して攪拌し、遠⼼分離後、固相抽出カラムによる脱脂ならびに限外濾過膜でろ過の後、LC-UV 測定に供した。

  • ・⾷パン中のカルシウム塩

     ⾷パン(クラム)に硝酸を添加しマイクロ波前処理装置を⽤い湿式分解後、試験溶液とした。試験溶液を適宜希釈後、ICP-OES に導⼊し、発光強度を測定した。

【分析⽅法】

  • ・ペプチド定量(LC-UV)

    分析機器:Waters alliance 2695 Separation Module(ウォーターズ社)
    検出器: Waters 2487 Dual λ Absorbance Detector(ウォーターズ社)
    カラム:Inertsil ODS-3 4.6×250mm、専⽤ガードカラム(GL Science 5020-01732)
    移動相:0.05%トリフルオロ酢酸(A 液)、0.05%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリル(B 液)
    グラジェントプログラム:A 液 (0 分100%→30 分0%)、B 液(0 分0%→30 分100%)
    流速:1.0mL/分
    注⼊量:20μL
    検出:220nm
    解析:得られたクロマトグラムから、極性の⾼い順(保持時間の早い順)に、蛋⽩質分解物のピーク(No.1〜9)とし、プロテアーゼ添加量に従って減少するピークNo.1、4、5、6をペプチドA、B、C、D とした。各ピークの⾯積をペプチド量とした。

  • ・カルシウム定量(ICP-OES)

    マイクロ波前処理装置:Multiwave GO(アントンパール社)
    ICP 発光分光分析装置:Agilent 5100 ICP-OES(アジレント社)
    発光光度:393.366 nm
    あらかじめ作成した検量線から試験溶液中の濃度を求めた。
    (消費者庁「別添 栄養成分等の分析⽅法等」通則記載の誘導結合プラズマ発光分析法に準拠)

●乳化剤成分分析

【試料抽出⽅法】

  • ・⾷パン中の乳化剤成分

     ⾷パンに酵素(α-アミラーゼ)及び⽔を添加して澱粉を分解後、有機溶媒を添加してホモジナイザーで均質化し、遠⼼分離後、有機溶媒相の⼀部を減圧濃縮した。GC-FID へはトリメチルシリル化剤で誘導体化後、LC-MS/MS へは測定溶媒に溶解後、各々測定に供した。

  • ・バターロール(マーガリン⼊り)中の乳化剤成分

     注⼊マーガリンに⽔を添加して⽔溶性成分を溶解後、有機溶媒を添加してホモジナイザーで均質化し、遠⼼分離後、有機溶媒相の⼀部を減圧濃縮した。GC-FID へはトリメチルシリル化剤で誘導体化後、LC-MS/MS へは測定溶媒に溶解後、各々測定に供した。

【分析⽅法】

  • ・モノ・ジグリセライド定量(GC-FID)

    分析機器:GC-2010(島津製作所)
    検出器:FID(⽔素炎イオン化検出器)
    カラム:RESTEK RtxⓇ-65TG(内径0.25mm×⻑さ30m、膜厚0.1μm、レステック社)
    キャリアガス:ヘリウム

  • ・モノグリセライド、エステル交換油脂定性(LC-MS/MS)

    分析機器:3200QTRAP(エービー・サイエックス社)
    測定:ダイレクトインフュージョン
    スキャンモード:Q1 スキャン
    イオン化:ESI(エレクトロスプレーイオン化法)
    イオンモード:ポジティブ

  • ・リン脂質(レシチン)定性(LC-MS/MS)

    分析機器:3200QTRAP(エービー・サイエックス社)
    測定:ダイレクトインフュージョン
    スキャンモード:プレカーサーイオンスキャン(m/z:184.1*)
    *)リン酸及びコリンのエステル結合のフラグメント
    イオン化:ESI(エレクトロスプレーイオン化法)
    イオンモード:ポジティブ

消費者庁「平成29年度食品表示に関する消費者意向調査」について

 消費者庁が実施した「平成29年度食品表示に関する消費者意向調査」によると、商品選択の際に「無添加」等の表示がある食品を購入している人の割合は過半数を超えており、「○○を使用していない」、「無添加」の表示がある食品を購入する理由としては、「安全で健康に良さそうなため」が72.9%と最も多く、この傾向は男女を問わず全ての世代で同様となっています。このように、消費者庁が実施した消費者意向調査からも、「○○を使用していない」、「無添加」等の表示は、食品安全面や健康面で優位性のある食品のような印象をお客様に与えている実態が明らかになっています。

■「平成29年度食品表示に関する消費者意向調査報告書(消費者庁)」抜粋

平成29年度食品表示に関する消費者意向調査

日本食品添加物協会の「無添加」、「不使用」表示に対する見解について

 一般社団法人日本食品添加物協会は、平成30年1月に公表した「『無添加』、『不使用』表示に対する見解」において、好ましくない「無添加」、「不使用」表示の自粛を食品関連産業に要請しています。好ましくない表示の一例として、「当該食品添加物と同一の成分あるいは同一機能の成分が含まれている場合の『無添加』『不使用』等の表示(当該食品添加物と同一機能の成分が製造工程で使用されている場合を含む)」をあげています。

日本食品添加物協会ホームページ:「無添加」、「不使用」表示に対する見解

https://jafaa.or.jp/pdf/kyokai/180117_kyokaikenkai.pdf

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