HOME  |  世界の朝食TOP  | 世界の朝食【ベネズエラ】

ヤマザキ 世界の朝食
一日の元気は、朝食をしっかり食べることから始まります。
世界各地のバラエティ豊かな朝食---
また、幸せの香り漂うパン料理などを紹介していきます。
月刊dancyu[ダンチュウ]
月刊dancyu[ダンチュウ]2012年4月号
編集タイアップ企画より
今月の1皿~「アレパ」 世界地図 Venezuela
色彩豊かな国民食。“アレパサンド”
とうもろこしのパン「アレパ」は、ベネズエラの国民食。厚みを二つに切り、さまざまな具を挟んで食べる「アレパサンド」は朝の定番だ。具は左手前から、黒いんげん豆の煮込み「カラオタ ネグラ」、牛肉と玉ねぎ、赤ピーマンなどの煮込み「カルネ メチャダ」、トマト入りスクランブルエッグ「ペリコ」。カラカスにはアレパサンドの専門店もあり、朝やおやつ時は地元民で賑わう。
  世界有数の自然大国ベネズエラ。アンデスやギアナ高地の印象が強いが、カリブ海に面する北部も格別で、陽光降り注ぐ楽園の景色が連なる。近代都市と化した首都カラカスにもその片鱗は垣間見え、南国風の花や果実、群れ飛ぶ野鳥が灰色のビルの合間から豊かな色彩を覗かせる。
 多彩なのは自然だけではない。コロンブスによる発見以降、ヨーロッパ、アフリカ、アジア、近隣諸国からの人の流入はこの街の文化や人種構成を複雑にした。食文化もしかり。ここに立つレストランの国籍の多様さは南米随一。一方、家庭料理は古くからのインディヘナ伝来の味わいに各国の影響が溶け合っている。
 小麦パン、とうもろこしのパン、米……。主食と呼べるものからして豊富。その中で国民食と呼ばれるほど愛されているのが「アレパ」である。とうもろこし粉にバターと水または牛乳を混ぜて練り、フライパンで焼いたもの。洋風おやきのようでもあり、コーンとバターの香り豊か。素朴さとリッチな味わいが同居する不思議なおいしさのパンだ。
 朝食の定番はこのアレパにさまざまな具や惣菜を挟んだ「アレパサンド」。人気のフィリングは黒いんげん豆の煮込み「カラオタ ネグラ」や、ゆでた牛肉をほぐして野菜と煮込んだ「カルネ メチャダ」、トマト入りスクランブルエッグ「ペリコ」など。黒いんげん豆や牛肉と使う素材は中南米らしくても、香辛料は控えめでオリーブ油やトマトを多用し、地中海的風味も混在するのがベネズエラ風。余計な調味を排したやさしい味わいが、アレパに挟むとぐっと凝縮されて存在感をもつのが面白い。
 フィリングは数種を用意し、味つけだけでなく彩りも豊かに盛りつけるのがカラカスの流儀。ベネズエラ料理は時間や手間のかかるものが多く、主婦は朝早くから食事の支度に追われるが、彼女たちはそれをむしろ楽しんでいる風さえある。
 「食卓は喜びを表す場」と言うこの国の人々は、朝食の大切さをよく知っているのだ。情勢の変化も著しいカラカスだが、手をかけた一日の始まりの食卓が、この街の土台を支えていることに変わりはない。
朝のテーブルから
カラカスの朝食例。香ばしく焼いたイングリッシュマフィンのサンドイッチの具は「レイナ ペピアーダ」。炒めた鶏挽き肉とアボカド、シラントロ(コリアンダー)などを和え、チーズをのせた人気の家庭料理。ベネズエラの食卓に欠かせないフルーツジュースとも相性抜群。
ヤマザキ
朝食から始まる幸せ。
その他の国もご覧ください ヤマザキ世界の朝食 index