平成もあとわずか!ヒット商品から「平成」の時代を振り返る<後篇>
前回は平成の始まりから20世紀の終わりまでに生まれたパンを、当時の流行を少し振り返りながら紹介してきました。後半の今回は21世紀に突入! 新世紀になって、ライフスタイルや流行も変化し、より個性的なパンが続々と登場します。
21世紀は時代背景を映した新商品を開発
2000年代に入っても、90年代からの流れを受けてコスパの良い商品が好まれました。2001年登場の「サンドロール」シリーズは、小麦本来の風味と軽い食感のパン生地に、素材にこだわったジューシーなジャムをサンド。味わいとボリューム感に加え、購入しやすい価格になるよう徹底追求した商品です。その自信の証としてパッケージにはヤマザキのシンボルキャラクターの“スージーちゃん”がプリントされています。今でも、中京地区を中心に根強い人気を誇っています。
また2000年代は核家族化が進み、ライフスタイルも多様化しました。しっとり食感の生地にたっぷりの中身がうれしい、「薄皮つぶあんぱん」(2001年発売)や「薄皮クリームパン」(2003年発売)などの「薄皮シリーズ」は、ひとつひとつが小さめで手軽に食べられるサイズ感。食卓に置いておきやすく、それぞれが好きな時に食べられてシェアしやすいところも人気のポイントになりました
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そして、憶えていらっしゃる方も多いかと思いますが、2005年ごろに移動販売車を中心に大きなメロンパンブームが巻き起こりました。そのころヤマザキでも数多くのメロンパンがありましたが、検討を重ねて導きだしたのが「ヤマザキメロンパン」。サックリとした皮とふんわりとした生地が特徴で、2007年に発売されました。
実はメロンパンブームは近年、2015年ごろから、メロンパン専門店が徐々に増加するなどリバイバルの兆しがあります。ヤマザキでは、2014年にメロンパンの皮だけを商品化した「メロンパンの皮焼いちゃいました。」を発売しました。メロンパン好きな女子社員たちが新商品を検討する中で生まれたこの商品は、SNSなどで“夢のような商品”と話題になり、瞬く間にヒット! もしかしたらこの商品が、このメロンパンブーム火付けの一翼となっていたかもしれませんね。
また、「ヤマザキメロンパン」も2016年に「大きなメロンパン」にリニューアル! 皮はサクサクで生地はふんわり、バターの風味が豊かなメロンパンになっています。
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過去にはこんなメロンパンも発売されていました。
その他、2000年代前半にはこんなヒット商品がありました。
近年は個性的なハイブリット商品やエコ意識から生まれたパンも!
2009年に発売された「チョコの山」は、チョコレートがしみこんだパンの耳のザクザクとした食感が人気の商品でしたが、実はこのパンの耳、人気商品「ランチパック」の製造過程で出てくるものを活用したものでした。ヤマザキでは工場ごとに企画開発を行っており、この商品もその流れの中で“ランチパックの耳を活用したい”というエコ意識の高まりから誕生した商品でした。
2013年発売の「サクリスタン」は、ベルギー産の発酵バター入りのマーガリンを折り込んだパイ生地に、焦がしバターの香り豊かなアーモンド風味のケーキ生地とチョコチップまでプラスした風味豊かなパン! サクリスタンはヨーロッパの伝統的なお菓子ですが、もともとはパイ料理を作った際に出る切れ端に砂糖をまぶして焼いたものが始まり。ヤマザキでは切れ端から作っているわけではありませんが、意外にもこの商品もエコな発想につながるパンです
また、最近ではひと手間加えたハイブリットな商品が人気を集めています。2012年発売「ヴィエノワーズ ミルク」は、サクッとした歯切れともっちりとした噛み応えの両方を楽しめるフランスパンに、濃厚なミルククリームをプラス! 抜群に口どけが良く、これまでにないフランスパンの味わいを目指した商品です。
2014年発売の「ドーワッツ(チョコ&クランチ)」も、ドーナツとクロワッサンのいいところ取りをしたようなハイブリット商品。こちらは2012年ごろにニューヨークでブームとなっていたクロワッサン生地のドーナツ“クロナッツ”にヒントを得たパンで、この独特の食感を出すために新たな小麦粉を開発。またサクサクの食感を維持するために、パッケージも特殊加工されたものを使っており、ヤマザキのおいしさへのこだわりが光るオリジナル商品となりました。
近年にヒットした「チョコの山」「ヴィエノワーズ ミルク」「サクリスタン」「ドーワッツ(チョコ&クランチ)」は、「期間限定!!リバイバル平成のヒット商品」と題し、現在発売中!2月末までお楽しみいただけます。
2014年になると、高付加価値を求めるニーズに応え「おいしい菓子パンシリーズ」が誕生します。あんぱん、デニッシュ、フランスパンなど、甘味系から惣菜系まで、いろいろなタイプの菓子パンを発売しました。
そして、ヤマザキを代表する菓子パンといえばやっぱり「ランチパック」ですよね。ランチパックが誕生したのは、まだ昭和だった1984年ですが、平成の時代に大きな転機を迎えた商品です。実は発売当初、ランチパックは数ある菓子パンのひとつという位置付けで、パッケージも統一されておらずバラバラ。種類も多くありませんでした。
転換点となったのは、2006年。使用する食パンの品質改良を行うとともに、味のバリエーションを一気に増やして選ぶ楽しさを演出しました。また、この時にパッケージデザインを統一。CMと合わせたプロモーションを行い、ブランドの知名度が高まるきっかけとなりました。現在では、毎月の新商品やご当地商品のほか、工場オリジナル商品などのレアなものまで、新しい味わいがどんどん登場しています。
■平成のヒット商品<番外編>
ちなみに、平成を代表するヤマザキの食パンといえば、「ダブルソフト」です。“ソフトと言えば・・・”でおなじみの「ダブルソフト」は、ミミまでやわらかい食感と食べやすさが特徴で、平成元年(1989年5月)の発売当初から大ヒット。
今でも変わらず人気のロングセラー食パンとなっています。
そんなダブルソフトが、このたび日本食糧新聞社主催の「平成30年度(第37回)食品ヒット大賞」において「ロングセラー平成貢献賞」を受賞しました。受賞を記念して、2月より記念ラベル入りパッケージで展開します。4月下旬までの予定です。
平成から新しい時代に変わっても、ヤマザキではブームや時代背景など、世の中のニーズを敏感に察知し、“みんなが今食べたいパン”をこれからも開発、リニューアルし続けていきます。 新しい時代にどんなパンが登場するのか、ぜひ楽しみにしていてください!