パンを食べ始めるのはいつ?
きちんとした会食の席でコース料理をいただくとき、オードブルを食べながらついパンに手が伸びて、でも他には誰もパンを食べている人がいなくて焦ったりしたことはありませんか?結婚披露宴や晩餐会など正式な食事の際には、パンに手をつけるのはスープが済んでから、というのが多くのマナーの本が薦めるルールです。あまり早々とパンでお腹をふくらませてはあとの料理をおいしくいただけない、パンはあくまで脇役、というのが洋食の考え方ということです。
パンを食べるのはどちらの手?
レストランでは右手にナイフ、左手にフォーク、並んでいる外側から使うと一般的に教えられますが、パンを食べるときはどちらの手で食べるのが正しいか知っていますか?一般的な洋食のテーブルマナーでは「どちらでもよろしい、しかし、必ずちぎったパンを片手で」が決まりのようです。つまり両手で丸ごとかぶりつくのはご法度で、元のパンを手に持ったままでちぎったパンを口に運ぶのもマナー違反。ひとくち分を取って残ったほうのパンはまたテーブルへ戻し、食べるときにその都度ちぎるのがベストなマナーといえます。
テーブルにパン皿がない時は
パンかごからおもむろにパンを取ったはいいけれども、どこにもパン皿が見あたらないなんてことはありませんか?テーブルクロスにじかに置くのも気が引けて、手に持ったまま迷ったあげく、料理の皿のふちにちょこんとパンをのせる人がいますが、これはマナー違反です。ここはあわてず、堂々とテーブルクロスの上に置くのが正解。パンをテーブルクロスに置く習慣は、13世紀のヨーロッパに由来していて、当時クロスを使う権利を持っていたのは貴族だけ。純白のクロスを汚して食事をすることが許されるのは、特権階級のあかしでした。その名残りが、今でも続いているようです。
スマートなバターの取り方
レストランのフルコースで、数人分のバターがまとめて出されたときなど、「お先にどうぞ」とゆずりあって誰も手を出そうとしないことがありますが、実はこれはマナー違反。自分の前にバタークーラー(バター入れ)があったら、さっさと自分の分を取って隣の人に回すほうがずっとスマートです。共用のバターナイフが添えられていればそれを使い、適量を取って自分のパン皿の向こう側に置きます。かたまりで出されたバターは、最初に取る人が、バターナイフで十字に切れ目を入れ、4分の1の大きさにしてから取るのが洗練されたお作法。こうしてあれば、後の人も安心です。とったバターをパンに塗るときは自分のバターナイフを使いますが、バターナイフがなければ料理用のナイフを使ってかまいません。
パンでお皿をぬぐうのはマナー違反?
親しい友人同士での打ち解けた食事など、それほどフォーマルではない席であれば、料理のお皿にのこったソースをパンにつけて味わうといったことも許容範囲。ひとくち大にちぎったパンをお皿に落として、ナイフとフォークを使ってパンにソースをからめて口に運びましょう。パンを手で持ってお皿を拭くようにソースをとることは避ける方が良いでしょう。我が家の食卓ならいざしらず、レストランやお呼ばれの席ではエレガントにフォークやナイフをつかいましょう。また、ソースをパンで食べるのはOKですが、パンをスープにひたして食べることはマナー違反となりますのでご注意を。