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パンの歴史館

1パンのルーツ

メソポタミアからエジプト、
ギリシャ、ローマ

今から8000年~6000年ほど前、古代メソポタミアでは、小麦粉を水でこね、焼いただけのものを食べていました。これがパンの原型とされています。
その後、小麦栽培とパンづくりは古代エジプトへ伝わり、偶然によって発酵パンが誕生しました。余ったパン種(小麦粉と水をこねただけのもの)に空気中の酵母菌がついて自然に発酵し、翌日それを焼いてみたら、いつもよりふっくらしておいしかった……というわけです。

いまから2500年ほど前の古代ギリシャの時代には、エジプトからパンづくりが伝わり、特産のオリーブオイルを使った揚げパンや菓子などもつくられるようになりました。ブドウの産地でもあったギリシャでは、酵母が含まれたブドウ液をパンづくりに用いるようになったり、細かい粉をひくことのできる「ひき臼」が開発されたり、オーブンの原型に近い「パン焼き釜」が発明されるなど、製パン技術が大きく進歩しました。

古代ローマ時代になり、ローマ軍がギリシャへ侵攻すると、ギリシャ人奴隷を通してパンづくりがローマへ広まり、文明の栄えとともに盛んになっていきました。小麦の皮を取り除き、白くて口当たりのよいパンをつくるために、馬のしっぽの毛を使った「ふるい」も発明されたといいます。ローマ市内には国営のパン焼き釜が設置され、パンの配給も行われました。こうしてパンの大量生産がはじまったのです。