フランス・パリ。〝花の都〟の異名は周知の如く、美術や文学、建築、映画など、多彩な芸術や文化における世界的中心地だ。
その面積は東京の6分の1ほどと意外に狭く、セーヌ川によって街が二分されている。川を挟んで北の右岸は商業の街として、南の左岸は学生街としての趣が強く、「右岸では金を、左岸では頭を使う」といったジョークが日常的に飛び交っている。
クールな面持ちの反面、内面は茶目っ気たっぷりのパリジャンは寒い冬でも実にアクティブ。芝居やコンサートに足繁く通い、年末年始時になればパーティーの準備で大忙しだ。
そんな彼らの憩いの場となっているのが、カジュアルなカフェやビストロ、ブラッスリー。とくに身近なカフェは誰もが行きつけの店をもち、本を読んだり、おしゃべりに花を咲かせたりと、思い思いに時間を過ごす大切な場所。どんな店に入るときでも、居心地の良さはもちろん、舌の肥えた人々にとって〝その店の味〟が何より重要な鍵を握る。
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