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ヤマザキ 世界の朝食
一日の元気は、朝食をしっかり食べることから始まります。世界各地のバラエティ豊かな朝食 また、幸せの香り漂うパン料理などを紹介していきます。
月刊dancyu[ダンチュウ]
月刊dancyu[ダンチュウ]2013年6月号
編集タイアップ企画より
今月の1皿
インド・南インド 家族を思う。本場の
ベジタリアンカレー
〝「パオバジ」は“パンと野菜”の意味。英国統治時代の影響の下にムンバイで生まれ、今や全国的に人気。カレーはじゃがいもや豆などを煮込んだトマト味で、パオバジマサラというミックススパイスが使われる。パンは山型のイギリスパンを小さくしたようなパオバジ用のパンも売られているが、家庭ではマフィンなどで代用することも。カレーと添えたオニオンをパンにのせ、オープンサンドのようにして食べる。
 インドは、北から南へ向かうのがいい。旅慣れた多くの人に聞く話だが、なるほど南部の緑濃い風景は北部よりのんびりとして、人々も温和。青空を背景に建つヒンドゥー寺院を眺めていると、なんだかこの国の故郷にたどり着いた気さえする。
 そして南インドは、あっさりして体にやさしいベジタリアン料理が発達した地。季節の野菜をたっぷり使い、それぞれのパワーと滋味を導き出す調理法は、日本人にもしみじみおいしく感じられる。
「パオバジ」は、そんな南インドで愛されるベジタリアンカレーだ。じゃがいもや豆、トマトなどを複数のスパイスと煮込んだ赤いカレー。もとは西インド・ムンバイ発祥の料理らしいが、ユニークなのはパン。必ず小さな山型パンやイングリッシュマフィン風のパンがついてくる。チャパティなど無発酵パンが主流のインドで、パオバジはイギリスパンとの組み合わせで成り立つ一皿なのだ。
 屋台料理としても人気だが、地元の主婦は家でつくるのが当たり前。カレーに限らず朝昼晩の料理もおやつも、一から手づくりがインドのベジタリアン主婦の基本だ。動物由来の食品を確実に除く意味もあるが、何より家族を思ってのこと。家族の体調に合わせて多様なスパイスを使い分け、おいしくなるよう願いながら野菜を切って炒めて煮て……。そんな手づくりの温かみが彼女たちの料理には確かにあって、肉や魚がなくても十分にコクがある深い味わいを生んでいる。
 もう一つ、イギリスパンを使った料理と言えば「ブレッドパコラ」。ポテトサラダのような具を食パンで挟み、衣をつけて揚げたスナックで、子供から大人までみんな大好き。
 このパオバジとブレッドパコラ、ともに朝食としても食べられている。忙しい朝にはやや面倒なようにも思えるが、子供のリクエストがあれば、母親は朝早くからの仕込みも厭わない。ただし最初に食べるのは、インドの神様たち。小さな祭壇にお供えしている間、子供たちはじっと待っている。おいしい母の味が自分もすぐに味わえることを彼らはちゃんと知っているのだ。
朝のテーブルから
マッシュポテトにハーブやスパイスを混ぜたフィリングを薄めの食パンで挟み、ひよこ豆の粉と米粉、数種のスパイスでつくる衣をつけて揚げた「ブレッドパコラ」。南インドでは朝食やスナックに大人気の一皿だ。好みでミントとコリアンダーのチャツネをつけて食べる。 ブレッドパコラ
ヤマザキ
朝食から始まる幸せ。
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